8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/11(金) 21:10:48.81 ID:7iy1jcu1o
「……」
ボクは荷物を降ろすと、中身を取り出す。子供は初めてだが、大人とそう勝手が違うという事は無いだろう。予想より早く済みそうで、ボクは小さくほくそ笑んだ。
家へ戻ると、彼女は朝に見た姿そのままで立っていた。虚ろな瞳は完全に何も映さなくなっており、ボクの事にもまったく気付いていないようだが、もちろん死んでいるわけではない。その証拠に、ボクの荷物から漂う臭いに反応して指先がピクピクと動いている。
「……待っていてね、今すぐ準備するよ」
彼女にひらひらと手を振って、ボクは厨房へ進む。今日はそこまで分解に手間取らないだろうと思っていたのだが、意外と肉が硬くなってやり辛い。大きさは関係なく時間経過に問題があるのだ、とボクは変に納得しながら器を運ぶ。
「……」
ボクは器に口を付け、それを一欠片口に含むと、そのまま虚ろな瞳であらぬ方向を向く彼女の口へと運んだ。
柔らかい彼女の唇の感触を楽しみながら、欠片を彼女の口へと流し込む。きちんと飲み込んでくれるか毎度不安なこの方法だが、今回もちゃんと喉が鳴った。
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