過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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2014/07/13(日) 00:48:42.35 ID:ABky3MGk0
開けた草原の中に一定の間隔で点在する家屋。
マサラタウンで起こる出来事、噂は大小関わらず一時もすれば街全体に広がっていく。
そんな場所で唯一世界に発信出来る場所、ポケモン界の権威オーキド博士の研究所内で、新しい二人のトレーナーが初戦に望んでいた。
「泣き虫でしかもポケモンも満足に扱えないのな! レッド」
「……」
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2014/07/13(日) 00:49:53.51 ID:ABky3MGk0
レッドのポケモンを回復させる。レッド自身も慰めなければならないだろう。
しかしいつもならレッドがぐずりだすところだが……。
「……っ!」
「レッド!」
レッドは涙を振り払い一目散に研究所から駆け抜ける。
以下略
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2014/07/13(日) 00:50:35.48 ID:ABky3MGk0
彼は弱かった。
彼は負け続けていた。年の近いグリーンを相手に、喧嘩でも、かけっこでも、川泳ぎでも。
グリーンは口々にレッドを罵り、レッドは言い返せない歯がゆさと悔しさで逃げ出すしかない。
それでもレッドは新しい勝負からは逃げなかった。グリーンに勝てることを一つでも、その負けん気の強さだけは誇りだった。
そしてポケモン勝負。自分だけじゃないポケモンの強さを借りれば、あるいは。
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2014/07/13(日) 00:51:27.36 ID:ABky3MGk0
俯いた顔、雨が後頭部から目尻まで垂れてきて、地面に1つ2つと雫となって落ちていく。
「そんなところにいると、風邪を引いてしまいますよ」
その言葉とともに、レッドの頭上に傘があった。しかしレッドから落ちる雫が止まらない。
レッドは目元を一度拭ってから目線を横に移し、先ほどすれ違った和服の女性を視認してから、またすぐに地面へと顔の向きを戻した。
(ありゃ)
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2014/07/13(日) 00:56:18.38 ID:ABky3MGk0
「!」
レッドの体がぴくりと動いた。
「オーキド博士にお名前をお聞きしました。私はエリカ、ポケモントレーナーをしております」
レッドはなおも動かない。
「グリーンさんに、ポケモンバトルで勝ちたくはありませんか?」
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2014/07/13(日) 01:05:19.66 ID:ABky3MGk0
エリカが弾むように続ける。
「ポケモンバトルに必要な戦略、戦術、技術……それら必要な要素が全て噛み合った試合はとても心躍るものです」
レッドは無感動に、
「勝てなきゃ意味無いじゃん」
とにべもない。
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2014/07/13(日) 01:14:34.07 ID:ABky3MGk0
「……絆?」
「レッドさん、フシギダネを出してみてください」
レッドは手元のモンスターボールを地面に放った。
「ダネフシッ!」
地上に出たフシギダネは、雨の中嬉しそうに背中を揺らしている。
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2014/07/13(日) 01:29:06.86 ID:ABky3MGk0
レッドがかがみフシギダネに差し出すと、フシギダネは一度匂いを嗅ぎ、はむはむと頬張った。
「ポケモンは剣や盾では決してありません。この地上に住む生物の一つ。好き嫌いがあり、感情があります」
食べ終わったフシギダネが、もっと欲しいとキラキラした目でレッドを見つめる。
「ポケモントレーナーとはひとつひとつのポケモンを知り、そして相手に知ってもらい、絆を育み共に強さを目指す……。レッドさんあなたは今、フシギダネの一部を知りました」
エリカがレッドにポケモンフードの箱ごと手渡す。
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2014/07/13(日) 01:39:47.68 ID:ABky3MGk0
「……僕も」
レッドは初めて、エリカの瞳を真正面から見つめた。
「僕も、なれるかな。そんなポケモントレーナーに」
「なれるかどうかは、この世界の誰にもわかりません。大事なのは」
エリカは抱擁力がこもった声で、
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2014/07/13(日) 01:52:37.71 ID:ABky3MGk0
トキワシティ。ここにはトキワジムの他、ポケモントレーナーの殿堂であるセキエイ高原に続いている。
その途上に目を合わせたポケモントレーナー二人の姿があった。
「ようレッド。この先はジムバッジが8個ないと進めないってよ! まったくケチンボだぜあの警備員」
レッドは答えない。グリーンは気にした様子もなく言葉を続ける。
「そういやレッド、あれからお前ポケモンは捕まえられたか? じいちゃんの言葉に従うのは癪だけど、俺は一応集めてる。もう4匹も捕まえたちゃったぜ。レッドは何匹だ?」
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2014/07/13(日) 02:15:43.85 ID:ABky3MGk0
鳥ポケモンのそれぞれの鳴き声が響く。
「オニスズメ! つつく!」
「ポッポ、すなかけだ!」
オニスズメの攻撃に耐え、ポッポは正確にオニスズメの目にすなをかけていく
「相手のHP(ヒットポイント)を減らさなきゃ勝てないんだぜ、レッド!」
以下略
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