過去ログ - エリカ「あなたが勝つって、信じていますから」
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[saga]
2014/07/31(木) 23:16:00.12 ID:j48OEh5L0
ラッタを守るようにして抱きしめていたレッドへ、ナツメが懸命に語りかける。
「ナツメ……さん」
「!! 良かった……!! ……フーディンと私の力を合わせてテレポートを使うわ。すぐにビルの外へ行くわよ」
ナツメのテレポートは最終手段だった。これだけのポケモン達と共にテレポートを使えば、ナツメも消耗してろくに動けなくなるだろう。
(だけど、今は逃げるしかない! サカキが動かないうちに!)
それはごもっともだがレッドの考えは違った。
「待って……ください。俺と、サカキのバトルは、決着が、ついてない……」
「……っ!? 馬鹿な事を言わないで! 今そんな場合じゃ……」
「……決着が、ついてないんです! 俺とポケモン達のバトルが……!」
「!?」
レッドの闘志に満ちた瞳に、ナツメは吸い込まれた。
「お願いがあります、ナツメさん。俺の、ポケモンたちに……この薬を……」
「…………」
ナツメは迷った。だが、ここで彼の戦いを否定したら、いけないような気がする。
「……わかったわ。任せて」
バリヤードとフーディンが時間を稼いでいる間、ナツメはレッドのポケモン達に回復を施していく。ナツメが緊急用に取っておいた最高級品、かいふくのくすりも惜しみなく使った。
(この子たちも、レッドと同じ……。どうして、こんな瞳ができるの?)
レッドとそのポケモン達の、魂が燃えている。
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