過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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2014/07/16(水) 00:24:29.88 ID:8oJAdiKmo
気配でそれを察したのか、彼女は急に振り返って、笑った。
「せんぱい、なにしに来たんですか?」
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2014/07/16(水) 00:25:14.15 ID:8oJAdiKmo
「高いところ、好きなの?」
「穴の中とか、井戸の底とか、低いところよりは好きかもしれないです」
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2014/07/16(水) 00:25:48.01 ID:8oJAdiKmo
「とにかく、俺はもう帰るよ」
これ以上ここに居ても何も話すことはないと思い、俺は屋上をあとにしようとした。
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2014/07/16(水) 00:26:38.63 ID:8oJAdiKmo
「そもそも、今は部長がサボってるし、実質リバーシ部だし」
「あはは」と後輩は笑う。何かをごまかそうとしているみたいに見えた。
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2014/07/16(水) 00:29:25.12 ID:8oJAdiKmo
◇
彼女が部誌に寄せたのは一本の掌編小説だった。
あるいは小説と呼ぶのは間違いかもしれない。散文詩とでも呼ぶべきかもしれない。
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2014/07/16(水) 00:30:05.42 ID:8oJAdiKmo
彼らは思い思いのことをして遊び、思い思いの相手と関わりあった。
そんななか、「わたし」はあるとき、穴を掘りはじめる。
庭園の隅の方で、理由もなく、白い服を土で汚しながら、ただ延々と。
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2014/07/16(水) 00:31:23.02 ID:8oJAdiKmo
◇
家に帰ると、リビングのソファの上で膝を抱えて、妹がしくしくと泣いていた。
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2014/07/16(水) 00:32:12.75 ID:8oJAdiKmo
それでも試みるくらいはいいかもしれない。
そう思って、俺は訊ねてみた。
「なにかあった?」
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2014/07/16(水) 00:34:58.96 ID:8oJAdiKmo
ドラマが終わった。テレビを消した。
妹はしばらく黙り込んでいたが、やがて、ふたたび、しくしくと泣き声を漏らし始めた。
気を紛らわすものがなくなったからかもしれない。
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2014/07/16(水) 00:36:27.98 ID:8oJAdiKmo
「シャボン玉」
「なんであるの?」
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2014/07/16(水) 00:36:59.26 ID:8oJAdiKmo
しばらく出窓からシャボン玉を吹いていると、
「わたしもやりたい」とさっきまで泣いていたのを忘れたみたいな顔で妹が言うので、
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