過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 00:30:05.42 ID:8oJAdiKmo

 彼らは思い思いのことをして遊び、思い思いの相手と関わりあった。
 そんななか、「わたし」はあるとき、穴を掘りはじめる。
 庭園の隅の方で、理由もなく、白い服を土で汚しながら、ただ延々と。
 
 誰とも関わり合おうとせず、ただ穴を掘っていた。
 何のためなのかもわからないまま。

 穴を深く深く掘り進める。どこまでいけるのだろう、と「わたし」は考える。

 やがて彼女は、自分が穴を深く掘りすぎたことに気付く。
 地上はすでに遠い。深く深く掘り進められた穴は、登ることさえできない。

 彼女は自分が致命的な間違いを犯したことを知る。それが既に手遅れになってしまったことを悟る。
 抜け出すことは決してできない。

 鳥の鳴き声も、太陽の光も遠く、耳に馴染んでいた葉擦れの音さえも、気がつけば聞こえない。
 暗い穴の底で、ただ光だけが眩しい。物語はそこで終わっていた。




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