過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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435: ◆aGwfZTc7eA[saga sage]
2014/10/01(水) 00:21:32.99 ID:Ucu0tXXg0
「グァウッ!?」

突如現れた男の回し蹴りにより、ゴブリンは棍棒を振り下せず、左頬に痺れる様な痛みを抱えて、後ずさり、尻餅をついた。
ゴブリンの顔に回し蹴りを喰らわせた男は、回し蹴りの勢いに体を揺らさず、スンナリと着地し、"右手の中指に嵌めた指輪"を外し、
同じ形状の指輪を付けながら、尻餅をついたゴブリンを見やる。 この一部始終を見ていた守屋は奇妙な気持ちになっていた。
あの、超常的能力を持つ怪物を回し蹴り一発で後ずらせた驚異的な力、加えて突然現れたのだ。 何処からか飛んでくるのでも無く、
駆けてくるのでもない、そんな謎だらけの男に警戒心を抱かないと言うのが無理な話だ。 しかし、もしも……逆ならば?

「――生きてる?」
「え、えぇ、伸びただけかも知れませんが……何とか?」
「――?」

反射的に目を瞑っていた先峰が開き、二人ともまだ生きている事を実感する。 そして、困惑する守屋が指差す方向へ振り向く、
背中を向けているが、背は高く、ガタイの良い、少し……ボロボロの背広姿の男性が、其処には居た。 
左の脇からは"見覚え"のある指輪が幾つも嵌められた、鎖の様なホルダーが見える。 

「――あれ?」
「お二人とも、大丈夫ですか?」
「(わぁ、渋くて優しそう。 てっ、違う違う、あれってやっぱり私達が作ってるのと同じ物……だよね?)」
「はい、くっ――おかげさまで、えっと。」

守屋が男に尋ねようとした瞬間、尻餅を付いていたゴブリンが近くの木を棍棒で薙ぎ倒した。
守屋も先峰も、その様子に思わず息を飲む――先程までの何処か幼稚さすら感じられた表情は、怒りに歪んでいる。
そして、憤怒の如き視線で男を睨みつけているが、男は動じていない。 開いた左手を何かを見せつける様に構えている。

「オマエェェェ、ダレダァァァッ!」
「私はジョージ、と言います。 またの名を"魔法使いウォーロック"……貴方は?」
「ゴブリン――オマエ、ジャマッスルナッ!」

ゴブリンが立ち上がり様、苛立ちをぶつける様に棍棒を地面へ叩きつけた。
その一撃は人間一人が軽く――"潰れる"程に、地面を陥没させている、だが、ジョージは涼しい顔で佇んでいる。
ゴブリンの表情が苛立ちに染まる、この出来事に守屋と先峰は入る事が出来なかった。 入れば――まるでマグマの様な怒りが、此方に向く。

「何故です? 彼等が、貴方に、嫌な事をしたのでしょうか?」
「ソイツラ、シンニュウシャ、オマエモシンニュウシャッ、シンニュウシャ、ケスッ! オレノ、シメイッ!」
「ふむ……なるほど、そうでしたか。 ですが、彼等も我々も、意図してこの島に入り込んだ訳ではないのです。
こちらの事情も汲み取っては頂けないでしょうか、ゴブリンさん?」
「――――ウルサイッ!」

ジョージと言う名の男の背後で、事の成り行きを見守っていた二人はハッとする。 ゴブリンがジョージに向かい光玉を投げた。 
其れに対し、ジョージは動じる事無く、構えた左手を"ベルト"に翳す。 "魔法の言葉を呟いて"。

「変身」
【ワーロックッ!!】


瞬間、ジョージが居た場所で爆発が起こり、目も開けられぬ勢いのある煙が背後に居た二人を覆う。
一体何が起こったのか? 二人には解らない、しかし、"三つ"解る事がある、一つは互いが生きている事。
――そして二つ目は。

「はっ!!」

黒煙を払う"魔法使い"がその猛々しい後ろ姿を見せている事。 
最後の三つ目……"希望"と言う一筋の光が、暗雲に覆われかけた二人の心に、差し込んだのかも知れない、と言う事だ。


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