過去ログ - 【俺ガイル】 八幡「例えば、あり得たかもしれないそんな世界」
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45: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 20:56:44.84 ID:wtQIWKT/0
「……二週間程前の事故の時、あの黒い車に乗り合わせていたのが私よ」

隣で、由比ヶ浜の息を呑む音が聞こえる。
ずっと俯いているため表情までは伺えないが、歯を食いしばり、何かを必死で耐えているのは伝わってくる。
色々と湧き上がる感情があるのだろう。
以下略



46: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 20:59:52.64 ID:wtQIWKT/0
「……今更謝られてもさ、それでどうしろっていうの?」

由比ヶ浜のものとは思えない程、とても冷めた声。
恐らく、俺では計り知れない様々な想いが、胸中に渦巻いているのだろう。

以下略



47: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:01:12.31 ID:wtQIWKT/0




「あなたがいるから、サブレは死んだ……。
以下略



48: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:03:40.74 ID:wtQIWKT/0
その後も続く由比ヶ浜の滅茶苦茶な罵詈雑言を、雪ノ下はただただ黙って受け止めていた。
……まずいな。
車に乗り合わせていたというだけでこんなことを言われてしまう雪ノ下も十分気の毒ではあるが、有り体に言ってしまうと、ついさっき出会ったばかりのこいつのことを気にかけてやる義理はない。
俺が案じているのは由比ヶ浜の方だ。

以下略



49: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:04:49.61 ID:wtQIWKT/0
俺がどうにかして由比ヶ浜を止めようと思った矢先、先程まで悲しげに伏せていた雪ノ下の瞳が、ギラリと鋭いものに変わった。

「さっきから黙って聞いていれば、随分と好き勝手言ってくれたわね。癇癪を起すのも無理のないことだとは思うけれど、これ以上の言いがかりは止めてもらえないかしら」

凍てついた、氷の様な視線。
以下略



50: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:06:34.73 ID:wtQIWKT/0
「そんなの……、そんなので、納得できるわけないじゃない!!」

「……そう。道徳的な話で納得できないのなら、もっと実務的な話をしましょうか。この件を法的観点で見れば、過失相殺といったことも特になく、完全に運転手側の過失ということになっているわ。もっとも、あんないきなり犬が飛び出して来ては、いくらプロドライバーの都築といえど避けられるはずがないのだけれど」

「っ……」
以下略



51: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:08:00.62 ID:wtQIWKT/0
「そんなのを聞きたいわけじゃない!!」

「ならどうしろというの? もう少し飼い主がしっかりしていればきっと違う未来もあったのに、全ての責任をこちらに押し付けて、それで満足? 私が土下座でもすればそれで気は済むのかしら?」

「やめてよッ! やめて……そんな話、聞きたくない……」
以下略



52: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:09:59.86 ID:wtQIWKT/0
間違いなく、もっと早くに止めておくべきだった。
しかし今更悔いたところでどうしようもない。
なら、今俺にできることはなんだ?

……そうだ。
以下略



53: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:29:17.67 ID:wtQIWKT/0


「あぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」


以下略



54: ◆SnKC1m7x8.[saga]
2014/08/02(土) 21:30:44.88 ID:wtQIWKT/0

───刹那。
雪ノ下に掴みかかろうとした由比ヶ浜の体が宙に浮く。

雪ノ下は、制服の襟すら触れさせなかった。
以下略



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