過去ログ - 全身が鉄でできている人の話
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:23:19.48 ID:SluoaBc3o
本当に全身鉄なんですね、と彼女は言った。
それは案の定彼の異形を面白がるようなもので、
彼の神経を逆なでするには十分過ぎる台詞だった。
彼は隣に座る女性を思い切り睨みつけて、
興味本位なら今すぐ失せろ、と精一杯低い声色を作って脅しにかかった。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:27:02.38 ID:SluoaBc3o
「お名前教えてもらってもいいですか?」

「…………」

「じゃあ鉄さんとお呼びしますね、
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:28:35.83 ID:SluoaBc3o
「鉄さん、無表情ですね」

「……俺が笑うと、顔がギシギシうるさいから」

「大丈夫です。私、黒板引っ掻く音とか平気ですから」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:32:42.22 ID:SluoaBc3o
「鉄さん、無表情ですね」

「……俺が笑うと、顔がギシギシうるさいから」

「大丈夫です。私、黒板引っ掻く音とか平気ですから」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:36:20.66 ID:SluoaBc3o
「なにか喋ってくださいよ、会話になりません」

苦手なんだ、と彼は答えた。
今まで人とまともに会話してきたことなんて、数えるほどもない。
なんでこの子は初対面相手にこれだけ口が回るんだろう。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:39:40.49 ID:SluoaBc3o
突然、彼女の鞄からけたたましい音が鳴った。
何か着信があったらしい。
彼女は慌てて大きな鞄をごそごそ探って携帯電話を取り出し、
それを見て素っ頓狂な声を上げた。

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:43:07.72 ID:SluoaBc3o
次会うときには本の感想を聞かせてくださいね。
そんな言葉を残して、彼女は慌ただしく去って行った。
後には呆けたようにベンチに座っている彼と、
爆弾でも爆ぜた後かの様な静寂が残されていた。

以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:46:38.41 ID:SluoaBc3o
またあの子はやってくる。
もうここでは一人になれないらしい。

なんてこった、ともう一度彼は呟いた。

以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/02(土) 18:49:55.81 ID:hf+KY3pDO
嫌いじゃない
ぜひ続けたまえ、どうぞ


24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:50:41.89 ID:SluoaBc3o



それからというもの、あの女の子は度々彼の秘密基地を襲撃した。

以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:53:55.81 ID:SluoaBc3o
軽音のサークルやら喫茶店のバイトやらでそこそこ彼女は忙しいらしく
読書量は彼に比べれば少なかったものの、
その代わり彼女は一冊一冊をしっかり読み込んでいた。
そしてその仔細にわたる感想や評論を彼の前で披露して見せた。

以下略



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