過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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26:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:48:38.66 ID:g4FKKuxko
 上条はこれ幸いにとばかりに外へと繰り出した。ヒーローでも彼は学生なのだ。遊びたい盛りなのだ。
 本来ならその欲求に従ってクラスメイトでも誘って遊びに行こうなどと考えていた。しかし、どうにも日が悪かったらしく残念ながら誰も付き合ってはくれなかった。

 とはいえ、一人でも出来る事は多い。何せ自身に課したトレーニングは、今もなお続けているのだから。
 パルクールだとかフリーランニングと言う言葉をご存知だろうか。これは走る・飛ぶ・登るといった移動動作で身体を鍛える方法である。
以下略



27:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:50:06.05 ID:g4FKKuxko
「…………」

 そうして日課を終えた上条は、つい先月に神裂と対峙した公園に居た。
 深い理由はない。たまたま辿り着いたのがこの公園だったのだ。

以下略



28:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:51:13.61 ID:g4FKKuxko
「は? だったら何でこの自販機使おうとしてんだよ。ひょっとして賽銭箱か何かなのか?」
「何言ってんの、そんなわけないじゃない。裏技があんのよ、お金入れなくてもジュースが出てくる裏技がね」

 そういって、美琴は小さく腰を落として上体を捻る。
 一体何が始まるんです? と上条が首を傾げていたのも束の間に、美琴は動き出した。
以下略



29:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:52:31.89 ID:g4FKKuxko
「それでさ、アンタ、一体何円飲まれた訳?」
 ヒィ、ヒィ、と息継ぎをしながら、美琴は問う。上条は一瞬のうちに考えた。絶対笑われる。言いたくない。
 それどころかこの女は写メってSNSなんかに投稿とかしそうだ。二千円札を飲まれた馬鹿はコイツです、みたいな。

 警戒心を最大限に引き上げて、上条はじりじりと後退した。
以下略



30:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:53:56.46 ID:g4FKKuxko
「何って、決まってるでしょ?」
 首を傾げた彼女の顔が、帯電している。
 まるで引き絞られた弓矢が、今か今かと放たれるのを待っているかのように。
「こうやって」
 取り戻す。そんな言葉が続いたのだろうが、バチバチ! と膨大な電気が自販機を中心に奔流した為に、彼女の言葉は中途半端に途絶えて聞こえた。
以下略



31:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:54:34.54 ID:g4FKKuxko
 気がつけば上条は、どこぞの魔術師達と会話を交えたオフィスビルの屋上に居た。
 ぐったりと脱力して、高層ビルから一望できる美しい景色を独り占めしてみるが、今はそんな夕焼けを楽しむ余裕など存在しない。
 オレンジに染まった上空では飛行船がその日のニュースをだらだらと垂れ流していた。
 水穂機構が研究業務提携から撤退した、だとか明日の天気は晴れですだとか、静かに黄昏ていたい夕暮れ時に、やたらと不躾な飛行船である。
「はぁ、はぁ……ちょっとアンタ、ホントにどんだけなのよ……」
以下略



32:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:55:39.04 ID:g4FKKuxko
「いくら安いからって、金を出してるのはこっちなんだぞってのを偉い人は何故わからんのか問い詰めたい」
「良いじゃない、一歩前に進もうって意志が見え隠れしてて。あ、ヤシの実サイダーいらないなら貰うわよ」
 気味の悪いジュースの数々の中から一本だけ拾い上げ、美琴は屋上の柵によりかかりながらプルタブに指を引っ掛けた。
「大体、アンタ強い癖にみょーなとこで臆病よね。不良共が束になっても、この私が全力を尽くしたって冷や汗一つかかなかった癖に」
「俺はお前らと違って善良な学生なの。軽犯罪だって起こしてたまるものですかってんだ」
以下略



33:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:56:50.28 ID:g4FKKuxko
 ・・・

 翌日。神裂によって起こされた上条は、早朝の五時だというのに第十九学区の寂れた空き地に足を運んでいた。
 第十九学区は学園都市の中でも古い技術を扱っている為か、全体的に街並みも古臭く、それどころか再開発に失敗したことで急速に廃れてしまった学区である。

以下略



34:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:57:36.74 ID:g4FKKuxko
 瞬間、神裂の身体が掻き消えた。静から動、その急激な変化は正面から不意打ったといっても過言ではない程に、速度にギャップを与えている。

 そして七天七刀が上条の身体を捕らえた。感触はある。細胞は次なる動きを求めていた。
 何処かの工場と空き地を区切る為のブロック塀を、上条の身体と七天七刀が貫いた。
 いや、そう思っているのは神裂だけだったらしい。ガラガラと音を立てて崩れ落ちたブロック塀の周りには誰も居なかった。
以下略



35:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:58:11.63 ID:g4FKKuxko
 その刹那。ゾクリと、背中に氷を入れられたかのような悪寒に神裂は包まれた。
 振り返る。上条が右手を振り被っていた。野球ボールよりも少し大きい程度の拳の筈が、神裂にはとてつもなく巨大な何かに見える。死んだ、神裂は他人事のようにそう考えた。

 しかしその拳は神裂を捉える事はなく、彼女の目の前で止められ、反動による突風だけが彼女を襲った。
 髪留めが外れて吹き飛び、彼女の長い髪の毛がだらりと地面にまで垂れる。
以下略



36:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 06:00:16.22 ID:g4FKKuxko
終わりです。
続きは気分がのれば今日中にでも。乗らなければ来週中に。

誤字の指摘や設定の矛盾など、疑問に思ったことは何でも良いので教えてください。
今後の糧としたいと思います。それでは失礼します。


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