過去ログ - ちなつ「blueはどこへ消えた?」
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2014/08/19(火) 01:17:41.67 ID:6oJFiQZgo
予想もしない返答に、私は戸惑った。
ちなつ「どうして?」
お姉ちゃんは慎重に、言葉を選ぶように言った。
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2014/08/19(火) 01:19:35.74 ID:6oJFiQZgo
お姉ちゃんは紅茶を飲み干すと、
ともこ「酷い顔、してるわよ。残念だったわね」
それ以上お姉ちゃんと顔を合わせていられなかった。
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2014/08/19(火) 01:22:00.70 ID:6oJFiQZgo
『ごめん。振られちゃった。応援してくれてたのに、ホントにごめん。私涙が止まらないの。でもなんで泣いているのか分からない気がする。結衣先輩はこれまで通り仲のいい友達でいようって言ってくれたのに、それだけでも今は満足するべきなのに……。おかしいよね。ごめんね。変なメールになっちゃって。』
すぐに携帯電話のバイブレーションが鳴った。
あかりちゃんが電話をかけてくれたのだ。
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2014/08/19(火) 01:23:44.39 ID:6oJFiQZgo
その後、言葉が思い浮かばなかった。
あかりちゃんも同じだったのだろう、無言が続いた。
ただ、薄暗い、寒い冷たい私の心の中に、あかりちゃんが私を心配して電話をかけてくれたという事実が、ろうそくの火のように染みわたっていくのを感じていた。
通話時間が十分に達した頃だった。
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2014/08/19(火) 01:25:46.11 ID:6oJFiQZgo
次の日、私はいつものように、ごらく部の皆みんなに熱いお茶を淹れていた。
体は習慣になじんでいるけれど、心はここにあらずという調子だった。
京子「ちなちゅ、今日のお茶はちょっと濃い目だね」
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2014/08/19(火) 01:26:57.12 ID:6oJFiQZgo
私たちは思い思いに過ごしていた。
京子先輩は寝そべりながら漫画を読み、結衣先輩は夏休みの宿題に取り組んでいた。
私も一応宿題を持ってきてはいたが、なんだか結衣先輩と同じことをするのが気まずかった。
家を出る時には、まだ結衣先輩とこれまで通り接することができるという、期待感を持っていたのかもしれない。
けれど顔を合わせた瞬間に、昨日の件で向こうもこちらを気遣っていることに気がついて、決まりが悪くなった。
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2014/08/19(火) 01:29:13.04 ID:6oJFiQZgo
日が暮れるまでは長く、1分が1時間、1時間が10時間に感じられた。
私たちは帰り支度を始めた。
下駄箱で靴を履き替え、傘を差す。
京子「いや……実は今日傘持ってきてないんだよね」
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2014/08/19(火) 01:33:38.59 ID:6oJFiQZgo
京子「まあ結衣と相合傘するのなんて、私しかいないでしょ」
私は黙っていることしかできなかった。
京子「……あれ、ちなちゅが絡んでこない」
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2014/08/19(火) 01:36:27.20 ID:6oJFiQZgo
次の日も、また次の日もごらく部は活動していたが、私の調子は変わらなかった。
いや、少しずつ、気分が塞いでいっているような気もする。
このままだと、私、どうなっちゃうのかな――。
その日も私はお茶を淹れ、机に突っ伏していた。
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2014/08/19(火) 01:42:02.85 ID:6oJFiQZgo
私のごらく部での役割を考えてみた。
これが、笑ってしまうほど少ないのだ。
お茶を入れることぐらい。
私がごらく部に存在していなければならない理由は、それくらい。
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