57:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:31:21.66 ID:57lCD6A/O
俺は逢魔ヶ隠れから出来るだけ距離をとりながら、メモ帳を開いて彼女の話を思い出した。
サイウという名のあの女性は、ネイチ、すなわちドウタクと、今月にも結婚する予定だったらしい。
しかし、三ヶ月前からドウタクが何かにとりつかれたようになり、先月にはあの本を出したのだという。
三ヶ月前に一体何があったのか。
サイウはリンの名前を出した。
俺は俺なりに三ヶ月前の事を思い出していた。
それはちょうど、再不斬たちと戦ったあとの事だった。
俺は木の葉の執務室に、三代目に呼び出されて向かった。
「カカシ……お前に伝えなければいけない事がある」
「なんでしょう」
三代目は思い悩んだ顔をして、机を見つめていた。
「お前たちの今回の任務の成果は、素晴らしかったとワシは思う」
「ありがとうございます」
「しかし、霧隠れはそうは思わなかったらしい」
重苦しい空気が執務室に流れる。
俺は三代目の言いたい事が分かってしまった。
「抜け忍を取り逃がしたと、霧が言っているのですね」
「ああ。再不斬たちはクーデターまで起こそうとした罪人だ。
霧の方でも後を追っていたらしい」
「それが木の葉の……私たちの介入によって滅茶苦茶になったと」
「そうだ。お前らに非はないのに庇いきれなかった……すまない」
笠で隠れてしまい、もう三代目の表情は見えなかった。
それでも、どんな顔をしているか俺には分かる気がした。
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