過去ログ - 女「今日は楽しかったね」男「え!?誰!?何!?」
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62:1 ◆h/8ygxZQYA[saga]
2014/09/01(月) 02:36:51.25 ID:darmAHig0

男は目の前の現実にただ、立ち尽くしていた。


「男君、今日は女の傍に
 居てあげてくれないかしら?」


女母は涙混じりに頼み病室を後にする。


「はい……俺に付き添わせて下さい」


声を掛けられ意識が戻ってくる。
女母に向かって深く頭を下げると、病室の床に男の涙が落ち弾ける。

二人切りになった病室の中、ベッドの脇に歩み寄り、その顔を見つめた。


「お前さ、もう二度と会えないと思ったんだぜ?」


まるで会話をしてる様に横に置かれた椅子に座る。


「でさ、やっと本物の女に会えたんだぞ……」


答える事の無い女に向かって語り掛ける。


「姉貴から生きてるって聞いて、どんだけ嬉しかったと思う?」


ベッドに顔を伏せ、女の手を取り自分の額に当てる。


「また一緒に居られると思ったんだぜ。
 ホラ、お前、こんなに暖かいじゃん、
 生きてんじゃん」


涙がシーツに吸い込まれていく。

顔を上げた男は精一杯の笑顔で女に話し掛ける。


「だから、起きろよぉ。
 また男君って笑ってくれよ……」


そう言うと、目を閉じたままの顔に手を当て、頬を撫でる。

男の涙が女の頬に落ちる。

吸入マスクを外し血の気無い唇にゆっくりと優しくキスをした。

手をしっかりと握りしめ、目が醒める事を一心に祈った。

女は答える事無く眠り続けている…


今日の出来事で疲れ果ていたせいか、女の手を握ったまま、いつしか眠りに落ちていた。



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