過去ログ - 真「君がくれたもの」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:32:01.89 ID:iKztUeSj0
翌朝、「いち!にぃ!さん!しぃ!」と威勢の良い声がいくつも鳴り響く横で、私も小さい音を発する。

ラジオ体操が終わると、朝食の準備が始まる。朝から忙しないと思ったが、みんな口を揃えて毎年のことだと言う。

食事中、父が私にこんな話をした。
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:33:09.18 ID:iKztUeSj0
私は正直不安だった。何故なら今まで一人になったことがなかったからだ。

一人で小学校に行けると言っても友達と一緒だし、知らない土地を一人だけで歩くのには抵抗があった。

許可をもらっただけなので無理に出かける必要はないだろうと思い、私は結局出かけないことにした。
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:34:44.87 ID:iKztUeSj0
宿題をしていた私は、休憩のために台所に入りコップに水を注いでいた。すると、すぐ隣で電話が鳴ったのだ。

部屋にいたら聞こえなかっただろうと思いながら受話器を取ると、父の声が聞こえた。

「おお、雪歩。家に居たのか。ちょうどよかった」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:35:36.44 ID:iKztUeSj0
大きな麦わら帽子を被り、外に出ると太陽がカンカンに照っていた。

ペットボトルの水を一口だけ口に含み、歩き出した。

1キロメートルくらい歩いたところで、大きな川が見えた。
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:37:15.28 ID:iKztUeSj0
ふと、頭部に違和感を感じる。風でも吹いたのだろうか。頭に被っていた帽子がない。

「あれ…?」

自分の頭を何度も叩いて確認したが、それらしき感触はない。
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:38:08.34 ID:iKztUeSj0
泣きながら歩いていると、目の前の木に見覚えのある麦わら帽子が引っ掛かっていた。

幸い低いところに掛かっていたので、少し背伸びすれば小さな私でも取ることができた。

「よかったぁ…」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:39:27.32 ID:iKztUeSj0
一度泣き止んだはずの泣き虫は再び泣き出し、住宅街の方へ足を運んだ。

下手に山に戻るよりも人に聞いた方が確実だと思ったのだ。

歩き続け、住宅街に着いたはいいが交差点で足を止め座り込んでしまった。
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:40:30.44 ID:iKztUeSj0
私より一つか二つ年上だろうか。背が高く、整った顔立ちの凛々しい子だった。

「お腹が痛いの?頭?脚?おぶってあげようか?」

いろいろ質問をされたが、怯えていた私にとっては聞こえていないも同然だった。
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:42:01.30 ID:iKztUeSj0
私の体はますます縮まり、その子からも目を逸らした。

「ごめん…なさい…」

「謝らなくていいから、家がどこか教えて。一緒に帰ろう」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:43:10.58 ID:iKztUeSj0
「速い…」心の中でそんなことを思っている間にも、まるで風のようにその子は走り続けた。

軽々と山を登り、30分掛かったか掛からないかくらいの時間で家まで着いてしまった。

「ここだよね?」
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