過去ログ - 真「君がくれたもの」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:39:27.32 ID:iKztUeSj0
一度泣き止んだはずの泣き虫は再び泣き出し、住宅街の方へ足を運んだ。

下手に山に戻るよりも人に聞いた方が確実だと思ったのだ。

歩き続け、住宅街に着いたはいいが交差点で足を止め座り込んでしまった。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:40:30.44 ID:iKztUeSj0
私より一つか二つ年上だろうか。背が高く、整った顔立ちの凛々しい子だった。

「お腹が痛いの?頭?脚?おぶってあげようか?」

いろいろ質問をされたが、怯えていた私にとっては聞こえていないも同然だった。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:42:01.30 ID:iKztUeSj0
私の体はますます縮まり、その子からも目を逸らした。

「ごめん…なさい…」

「謝らなくていいから、家がどこか教えて。一緒に帰ろう」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:43:10.58 ID:iKztUeSj0
「速い…」心の中でそんなことを思っている間にも、まるで風のようにその子は走り続けた。

軽々と山を登り、30分掛かったか掛からないかくらいの時間で家まで着いてしまった。

「ここだよね?」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:44:58.88 ID:iKztUeSj0
「じゃあボクは帰るから」

「あの、名前…」

「ボク?ボクは菊地真だよ」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:46:16.67 ID:iKztUeSj0
真さんと離れたくない。そんなことを考える前に、無意識に口が動いていた。

「あの…!その…また会いたいです…。お礼もしたいし…」

「お礼なんていいよ。でも、ボクだったらいつも山の麓の秘密基地にいるよ」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:46:57.08 ID:iKztUeSj0
【7月30日】
今日は真さんとひみつき地に行きました。かわいいくまのぬいぐるみやリボンがかざってあって、ちょっと真さんにはにあわないと思いましたが、すごく楽しかったです。


【7月31日】
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:47:56.55 ID:iKztUeSj0
「帰るの…?」

「なぁに、三週間も後の話ですよお嬢。でも残念ですね。せっかく出来たお友達と離れ離れになっちまうのは」

「うん…」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:48:48.06 ID:iKztUeSj0
【8月9日】
明日、花火大会の後に真ちゃんのいえにおとまりすることになりました。いろいろ計かくを立てて、とてもわくわくしました。


【8月10日】
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:49:47.34 ID:iKztUeSj0
「今日は来てないのかな?」

翌日、秘密基地まで来たはいいが真ちゃんの姿は見当たらなかった。

「嫌われちゃったかな?」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:51:07.26 ID:iKztUeSj0
家に戻ると、父達が先に戻っていた。そこで思い切って父にお願いをした。

「あのね、明日、下のところにあるお店に行きたいの」

「分かった。テツ、付いて行ってやれ」
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:51:59.32 ID:iKztUeSj0
【8月22日】
今日は、真ちゃんにプレゼントするためのシートを買いに行きました。イメージ通りのシートが買えたので、プレゼントするのが楽しみです。


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:53:17.52 ID:iKztUeSj0
それから一週間、秘密基地には毎日通ったが、真ちゃんの姿は見当たらなかった。

そして8月27日。


以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:54:32.94 ID:iKztUeSj0
結局、父の視線を気にして渡さないことにしてしまった。

黒く、逞しい黒ヒョウのシートは箱に入ったまま車の荷台に積み込まれた。

さようなら。さようなら真ちゃん。ごめんなさい。
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:54:58.50 ID:iKztUeSj0
それから10年の歳月が流れ、私は765プロダクションという芸能事務所に所属し、芸能活動を行っている。

この10年の間に、何度かあの町を訪れ、秘密基地のあった場所にも行ったが、そこは小さな養鶏場となっていた。

「おっ、お嬢。お疲れ様でした。荷物持ちやしょう」
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:55:44.98 ID:iKztUeSj0
「そうそう、お嬢聞きやしたか?俺もさっき高木にダンナに聞いたんですけどね、765に新入りが入るそうですね」

車を運転しながら楽しそうに話をしてくれる彼は、実は私のファン第一号でもある。

「新しい人?」
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:56:16.07 ID:iKztUeSj0
翌日、家の中の誰よりも早く起き、身支度を素早く済ませすぐに出かけた。

何かを知らせる心地よい夏の風に背中を押されながら走る。

「急がなきゃ!」
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:56:59.38 ID:iKztUeSj0
無意識に叫んだだけだった。それなのに、まるで私が魔法でも使ったかのように、平然と、当たり前のように、その人物が目の前にいるのだ。

彼女と目が合うと、彼女は少しだけ微笑んだ。

「追いかけてきたよ、雪歩」
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/29(金) 23:59:59.70 ID:iKztUeSj0
なんとか今日中に間に合わせたかったので書き溜めた物を一斉投下という形になってしまいました。

真誕生日おめでとう!

雪歩の日記の誤字はわざとだよ!小学二年生だからね!


30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/30(土) 00:13:52.54 ID:ShGwOpEy0
タイトルと秘密基地とでZONEの曲思い出した
おつ


31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/30(土) 00:37:22.31 ID:BSc4BqBdo
乙です


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