過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:10:22.92 ID:rTWGyU3/o

「なんでそんなこと訊くの」
 呆然と彼女がつぶやく。
 そんな姿に彼は叫んだ。
「決めたからだろうが!」
以下略



119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:10:57.24 ID:rTWGyU3/o

 この町の都合など知ったことか。
 自分は優しさゆえに人間に敗北したエルフではないのだ。
 どこまでも自分の欲望とわがままを貫き通す、生粋の、ただの人間なのだから。

以下略



120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:11:24.23 ID:rTWGyU3/o

 そう、歌だ。
 悲鳴のようだがそうではない。彼にはわかる。

 放射状に何か強いものが広がっていく。
以下略



121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:11:54.10 ID:rTWGyU3/o

 その中を二頭の子熊が走っている。
 連れ立って紅葉降り注ぐ中をどこまでもどこまでも。

 一頭は彼で、もう一頭は彼女だ。
以下略



122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:12:21.51 ID:rTWGyU3/o

 光に全てが包まれて――あとには闇が残った。



123:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:12:48.77 ID:rTWGyU3/o


……




124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:13:15.08 ID:rTWGyU3/o

「わたしたち、どこまで行くの?」
 それはいつか訊かれた言葉だった。彼もまたいつか言った言葉で返す。
「さあなあ」
 いつかと違うのは互いの顔に浮かぶ穏やかな微笑みくらいか。
以下略



125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:13:52.05 ID:rTWGyU3/o

 あそこからどうやって脱出したのかは覚えていない。
 気づいた時にはいつの間にか一緒に歩いていた。
 まるでずっと前からそうやって歩いていたかのように。

以下略



126:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:14:22.70 ID:rTWGyU3/o

 旅の先に待つものなんてありはしない。
 だって二人の旅は終わらない。
 どこまでも続くのならば果てはない。

以下略



127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/11(木) 17:14:58.43 ID:rTWGyU3/o

 つまり、と彼は思う。
 俺の紅い葉は、わからなかっただけで、ずっと隣にあったのだ。
「……いい名前だな」
 言って、それから彼はふき出した。
以下略



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