過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 18:10:57.82 ID:htogreJXo

「どうせここにいても飢え死にだぞ! 分かってるのか!」
「もちろん」
 恫喝の勢いはその一声で削がれた。
「行かなければそのうち死ぬわね、わたし。行っても死ぬかもしれないけれど」
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 18:11:36.25 ID:htogreJXo

 エルフはあっさり答えてフードをかぶりなおした。
「行きましょう」

 彼は呆気にとられる。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/31(日) 18:12:07.67 ID:htogreJXo
つづく


27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/08/31(日) 23:00:21.95 ID:1Qc6idqD0
おもしろい


28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/01(月) 14:31:55.58 ID:ha2ryYp8o
なるほど?


29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 14:57:36.54 ID:CYET1goWo

 川で水を汲んでエルフに軽く汚れを落とさせた後、夜までを歩いた。
 彼女が早まって逃げ出しはしないかと警戒していたのだがそうなることはなかった。
 食料や道の情報を持っているこちらから離れれば危険ということを分かっているのか。
 何はともあれエルフに向ける注意は次第に緩んだ。
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 14:59:12.34 ID:CYET1goWo

 チロチロと窪地の真ん中で炎が揺れる。
 それを見るともなしに見つめながら考えていたのは、彼女と引き換えに手に入るはずの金のことだ。
 上手くやればかなりの金が入るはずだった。
 しかし期待に胸が踊ることはない。
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 14:59:56.04 ID:CYET1goWo

(お袋……俺はどうしたらいいんだろうな)
 ずいぶん前に死んでしまった母親に問いかける。
 もちろん返事はない。
 もっとも母は生前もあまりしゃべる人ではなく仮に生きていたとしても返事があるかは怪しかったが。
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 15:00:24.12 ID:CYET1goWo

 焚き火の反対側に横になっているエルフが目を閉じているのを確かめ、彼は小さく口を開いた。
 おぼろげな記憶に残る歌をゆっくりと口ずさむ。
 母とは違い、かすれて下手くそな彼の声。
 歌詞も音程もあやふやだが、確か子熊が紅い葉を探して歩く話だ。
以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 15:01:22.96 ID:CYET1goWo

 つっかえつっかえ歌い終わりため息をついた時、視線を感じた。
 エルフが横になったまま目を開いてこちらを見ていた。

「なんだよ」
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 15:01:58.93 ID:CYET1goWo

 眠りに落ちる間際に彼はふと思う。
 久しぶりに母のことを思い出したのは、道に足音が二人分あったからかもしれない。
 そんなことを。



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