過去ログ - 八幡「やはり俺の世にも奇妙な物語はまちがっている」いろは「特別編ですよ、先輩!」
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850: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:23:51.26 ID:B4EYcr5Go
俺はその日に、残りの二枚の手紙を読むことができなかった。

それは次の日も、そのまた次の日も同じで、その間、俺は死んだような日々を送っていた。

授業も上の空。何も考えずに終わる一日。
以下略



851: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:25:31.31 ID:B4EYcr5Go
拝啓――比企谷八幡様

なんてあなたに書くのは野暮ね。こんにちは。雪ノ下雪乃です。
こちらは元気にやっています。記憶を受け継いだまま最初に戻ったから、私と由比ヶ浜さんはまだ、あなたのことを覚えているわ。――他の人は忘れてしまったのだけれど。

以下略



852: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:26:40.93 ID:B4EYcr5Go
やっはろー! 由比ヶ浜結衣です!
まだあたしのこと覚えててくれるといいんだけど……。あと、お菓子はちゃんとガマンしてるからね。

こっちではみんな元気だよ。小町ちゃんも、彩ちゃんも、隼人くんも、中二も、みんな……。

以下略



853: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:27:38.53 ID:B4EYcr5Go
気づいた時には、頬に涙がつたっていた。

博士の手紙だけでわかっていたつもりだったが、そんなことはなかった。この二人の手紙によって、俺は改めて痛感してしまった。

俺は、もうこの二人には、永久に会えないのだと。
以下略



854: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:28:38.35 ID:B4EYcr5Go
しかし、それは永久に叶わない夢となる。博士のことを恨まないわけがない。俺はそんな聖人君子ではない。

けれど、それがそもそも八つ当たりでしかないとわかっているから、このどうしようもない気持ちのやり場が、見つからない。

ただ必死でこれ以上、涙を流さないように拳を握りしめる。が、それも無駄で流れる涙は止まらない。
以下略



855: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:29:15.97 ID:B4EYcr5Go
次の日。

予備校の隣にあるユザワヤで便箋と封筒一式を買い揃えてきた。

ペンを片手に机の前に陣取る。さて、何と書こうか。
以下略



856: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:30:08.72 ID:B4EYcr5Go
某日 午後十時

郵便ポストの前に立つ。結局あれから徹夜して一通り書き上げ、二日かけて推敲した。俺の手の中には、一封の封筒がある。最後にもう一回予備校で読み直し、封をした。中に入っているのは、送られて来た時と同じく三枚の便箋。

博士宛と、奉仕部の二人宛だ。
以下略



857: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:30:42.80 ID:B4EYcr5Go
八幡「……あんたは」

俺の目の前にいたのは、あの博士だった。

博士「やぁ、久しぶりだね」
以下略



858: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:31:26.47 ID:B4EYcr5Go
八幡「……まだ――」

博士「間に合うよ。予定より一週間も早い」

八幡「…………」
以下略



859: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:32:40.09 ID:B4EYcr5Go
八幡「確かに恨んでないわけじゃない」

博士「…………」

八幡「でもそれ以上に感謝している」
以下略



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