過去ログ - 八幡「やはり俺の世にも奇妙な物語はまちがっている」いろは「特別編ですよ、先輩!」
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853: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:27:38.53 ID:B4EYcr5Go
気づいた時には、頬に涙がつたっていた。

博士の手紙だけでわかっていたつもりだったが、そんなことはなかった。この二人の手紙によって、俺は改めて痛感してしまった。

俺は、もうこの二人には、永久に会えないのだと。
以下略



854: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:28:38.35 ID:B4EYcr5Go
しかし、それは永久に叶わない夢となる。博士のことを恨まないわけがない。俺はそんな聖人君子ではない。

けれど、それがそもそも八つ当たりでしかないとわかっているから、このどうしようもない気持ちのやり場が、見つからない。

ただ必死でこれ以上、涙を流さないように拳を握りしめる。が、それも無駄で流れる涙は止まらない。
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855: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:29:15.97 ID:B4EYcr5Go
次の日。

予備校の隣にあるユザワヤで便箋と封筒一式を買い揃えてきた。

ペンを片手に机の前に陣取る。さて、何と書こうか。
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856: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:30:08.72 ID:B4EYcr5Go
某日 午後十時

郵便ポストの前に立つ。結局あれから徹夜して一通り書き上げ、二日かけて推敲した。俺の手の中には、一封の封筒がある。最後にもう一回予備校で読み直し、封をした。中に入っているのは、送られて来た時と同じく三枚の便箋。

博士宛と、奉仕部の二人宛だ。
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857: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:30:42.80 ID:B4EYcr5Go
八幡「……あんたは」

俺の目の前にいたのは、あの博士だった。

博士「やぁ、久しぶりだね」
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858: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:31:26.47 ID:B4EYcr5Go
八幡「……まだ――」

博士「間に合うよ。予定より一週間も早い」

八幡「…………」
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859: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:32:40.09 ID:B4EYcr5Go
八幡「確かに恨んでないわけじゃない」

博士「…………」

八幡「でもそれ以上に感謝している」
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860: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:33:33.40 ID:B4EYcr5Go
博士「……そう言ってもらえると、こっちも嬉しいよ。あれを作った甲斐があるというものだ」

八幡「じゃあ、これをあいつらに」

手紙を博士に渡す。俺の思いをできる限り詰め込んだ封筒だから、直接渡せて安心した。
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861: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:34:44.19 ID:B4EYcr5Go
感触からして何かの紙かカードのようだ。面に触れないように端を持って袋からゆっくり取り出す。

八幡「これは……!」

博士「本当はそれも一緒に送ろうと思ってたんだけどね。私としたことが入れ忘れていた」
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862: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:36:32.65 ID:B4EYcr5Go
俺のマフラーを掴み笑顔を浮かべる由比ヶ浜に、キョトンとした表情で由比ヶ浜の隣にいる雪ノ下。そして、不機嫌そうな顔と、腐った目でカメラを見る俺が、そこには写っていた。

それを目にした瞬間、今まで思い出さないようにしていたいくつもの思い出たちが、一斉に頭の中をよぎった。

『ごめんなさい。それは無理』
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