過去ログ - 八幡「やはり俺の世にも奇妙な物語はまちがっている」いろは「特別編ですよ、先輩!」
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857: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:30:42.80 ID:B4EYcr5Go
八幡「……あんたは」

俺の目の前にいたのは、あの博士だった。

博士「やぁ、久しぶりだね」
以下略



858: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:31:26.47 ID:B4EYcr5Go
八幡「……まだ――」

博士「間に合うよ。予定より一週間も早い」

八幡「…………」
以下略



859: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:32:40.09 ID:B4EYcr5Go
八幡「確かに恨んでないわけじゃない」

博士「…………」

八幡「でもそれ以上に感謝している」
以下略



860: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:33:33.40 ID:B4EYcr5Go
博士「……そう言ってもらえると、こっちも嬉しいよ。あれを作った甲斐があるというものだ」

八幡「じゃあ、これをあいつらに」

手紙を博士に渡す。俺の思いをできる限り詰め込んだ封筒だから、直接渡せて安心した。
以下略



861: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:34:44.19 ID:B4EYcr5Go
感触からして何かの紙かカードのようだ。面に触れないように端を持って袋からゆっくり取り出す。

八幡「これは……!」

博士「本当はそれも一緒に送ろうと思ってたんだけどね。私としたことが入れ忘れていた」
以下略



862: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:36:32.65 ID:B4EYcr5Go
俺のマフラーを掴み笑顔を浮かべる由比ヶ浜に、キョトンとした表情で由比ヶ浜の隣にいる雪ノ下。そして、不機嫌そうな顔と、腐った目でカメラを見る俺が、そこには写っていた。

それを目にした瞬間、今まで思い出さないようにしていたいくつもの思い出たちが、一斉に頭の中をよぎった。

『ごめんなさい。それは無理』
以下略



863: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:37:46.34 ID:B4EYcr5Go
『……あなたのやり方、嫌いだわ』

『ああいうの、やだ』

『馴れ合いなんて、私もあなたも一番嫌うものだったのにね……』
以下略



864: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:39:11.37 ID:B4EYcr5Go
思い出とともに、膨大な量の感情が胸の中に雪崩のように流れ込んでくる。泣かないように歯を食いしばっても、溢れる感情の波は止められなかった。

八幡「雪ノ下……由比ヶ浜……っ」

この一週間だけで、何度俺は涙を流しただろう。何度、この胸の痛みに耐えかねて叫んだだろう。
以下略



865: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:40:03.90 ID:B4EYcr5Go
博士「落ち着いたかい?」

八幡「……みっともないよな」

博士「いや、いいんだよ。それが若者の特権さ。泣きたいだけ泣いて、怒りたいだけ怒って、笑いたいだけ笑えばいい。大人になると、それが少し難しくなるからね」
以下略



866: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2014/10/31(金) 21:43:05.68 ID:B4EYcr5Go
そして、俺一人だけが取り残された。

もう一度、渡された写真を見る。また目元が熱くなるが、今度は間一髪で堪えた。

空を見上げると、雲一つない星空が広がっていて、それがたまらなく寂しいと感じた。
以下略



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