過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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238: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:12:44.89 ID:tUbr3Wd40
和「適当に座っていてください」
二回目の訪問となる和の部屋は、記憶よりも随分と散らかっていた。
特にテーブルの上が酷い。
239: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:17:47.40 ID:tUbr3Wd40
和「私も…明華さんから咲さんが戻ってこないと連絡が来た時、どうしようかと思いました」
咲「あ……」
和「見つけられて、よかったです」
240: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:22:29.59 ID:tUbr3Wd40
和「知りたいです。咲さんのことなら何だって……私が知らないことを、全部」
その目はただひたすらに真っ直ぐ咲を見つめている。
咲(あぁ、もう……駄目だ)
241: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:27:31.70 ID:tUbr3Wd40
和「……そうですか」
長いようで短い咲の話が終わった時、和はただ一言そう呟いた。
242: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:32:32.96 ID:tUbr3Wd40
咲「その人に比べたら、自分は一体……一度そう考え出したら、もう何も書けなく、なって」
いつの間にか溜まっていた涙が、咲の意志を無視してぽたりと零れ落ちる。
咲「その人のエッセイは、根性で書き上げたんだけど、あとは……もう、何も」
243: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:37:08.62 ID:tUbr3Wd40
和は昔からそうだった。
何事にも決して手を抜いたり妥協したりすることはなかった。
それに比べ――。
244: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:42:28.52 ID:tUbr3Wd40
転校の話を咲たちに黙っていたこと。
それが元で皆との絆を壊してしまったこと。
和「ずっと悩んでいたんです。高校を卒業しても、ずっとその事が頭から離れませんでした」
245: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:49:13.29 ID:tUbr3Wd40
和「私も咲さんみたいに全部嫌になった時がありました。そういう時に……咲さんの顔を思い出して」
咲「私……?」
和「そうしたら、酷く咲さんに会いたくなっしまって」
246: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:56:59.25 ID:tUbr3Wd40
今回はここまでです。
247:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 21:03:41.14 ID:S0YUQ3E5O
乙 待ってた!
248:名無しNIPPER[sage]
2015/07/16(木) 21:14:41.59 ID:WTGk9ez4O
乙です
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