過去ログ - 【艦これ】「提督、榛名は……榛名は大丈夫ですよ」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/29(月) 03:01:41.21 ID:ZgYpFlXYO
ー鎮守府sideー

「夕張、回線はまだ繋がらないのか!」

「申し訳ありません、提督。敵の妨害が強すぎて上手く……」

「くっ……。いや、すまない。夕張、落ち着いて作業を続けてくれ」

「はい!」

提督と呼ばれた海軍の軍服に身を包んだ青年が表情を歪ませる。出撃させた第一艦隊と突如連絡が取れなくなったのだが、その回線の回復が上手くいかず、焦りだけが募っていく。

「気持ちはわかるけど落ち着いて、ご主人。この状況で貴方が焦ると、指揮に影響が出るし、私達も冷静さを失ってしまう」

「漣……」

部屋の扉が開き、入室してきたのは漣と呼ばれた少女。彼女は提督の様子を一瞥した後、小さく息を吐きつつ言葉を投げ掛ける。

「ほら、根を詰めすぎよ、ご主人。大方の命令は出したんだから、ちょっと頭を冷やしてきなさいな」

「だが……。……ああ、そうだな。少し、落ち着くために夜風に当たってくるよ」

「それがいいよ、ご主人。細やかな作業は私達がやっておくから」

「すまない。なにかあったら呼んでくれ」

「別に良いって。それに休むのも仕事の内なんでしょ。後の事は気にせず行った行った」

半ば漣に追い出されるように、提督が部屋を出ていく。それを見送った後で、部屋の扉を閉め、その扉に背中を預けながら盛大に溜め息を吐く漣。そして、顔を上げると、こちらを見ている夕張と視線がぶつかった。

「どうかしたんですか、夕張さん?」

「え? あ……いやー、よくあの状態の提督を説き伏せたなあ、なんて」

「ああ、そういうことですか。まあ、付き合いが長いから、ご主人の事はだいたい分かるんですよ」

苦笑を浮かべながら作業を再開する夕張に、漣はにべもなく答える。

「さすが初期艦。提督の事ならお見通しなのね」

「……それでも、彼の気持ちの在処だけは、見抜けなかったんですけどね」

「え?」

「いえ、ただの独り言ですよ。さて、夕張さんのお手伝いとして明石さんをお呼びしてます。頑張ってくださいね」

誰に聞かせるまでもなく呟いた独り言。訝しげな夕張に追及される前にと漣は事を進める。同時にノックされる部屋の扉。それを開けて明石を招き入れつつ、漣はここに居ない彼を想って一人ごちる。

「 大丈夫、今まで貴方の指揮に間違いはなかった。今回もきっと上手くいきますよ」


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