過去ログ - 【艦これ】「提督、榛名は……榛名は大丈夫ですよ」
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48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/14(火) 15:48:52.46 ID:KgKqg9VtO
「卯月が大破した?」

あの後、なんとか空母を無力化した後に、周囲の護衛部隊を雷撃で撃沈させると、敵の生き残りは早々に撤退していった。

「はい。なので、撤退の指示を」

「は? おいおい、相手の主力は目の前なんだろ? なら、そのまま進撃しろよ」

「ですが、このままでは卯月さんが……」

「うるせえよ。いいか、お前らの代わりなんて幾らでも居るんだ。役に立たないなら切り捨てる。それが嫌なら、刺し違えてでもその海域を制圧しろよ」

酒匂さんが無傷。島風さんが中破。卯月さんが大破。残りの私含めた三人が小破という状況である。とてもじゃないが、進撃しても良い結果が出るとは思えない。
故に、一応提督と連絡を取る酒匂さん。分かってはいたが、提督の言葉は一方的だった。

「……先に進むぴょん」

「卯月さん……」

立ち上がるだけで精一杯なんだろう。満身創痍な卯月さんが、震える足で立ち上がる。ともすれば、倒れてしまいそうな彼女に、私は慌てて駆け寄り、肩を貸す。

「ハッ、いい根性だ、“ヒトモドキ”。兵器らしく戦場で散るならお前も本望か。それと、さっきも言ったが、俺は忙しい。あとは勝手にやれ」

厭らしい笑みを浮かべる提督。彼女の覚悟を賞賛したのではなく、自身の抱える厄介な『兵器』の数が、一時的とは言え減ることを純粋に喜んでいるのだろう。

「つくづく、糞な提督だぴょん」

通信が切れた後、卯月さんが一人ごちる。その言葉は隣に居る私にしか届かなかった。

「……逃げてもいいんですよ?」

「今更だぴょん。それにこんな身なりの私を引き取ってくれる場所に辿り着くまでに、結局沈んでしまうんじゃないかな」

だから、進むしかないぴょん。と卯月さんに促され、私は渋々と歩を進める。


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