過去ログ - 【艦これ】「提督、榛名は……榛名は大丈夫ですよ」
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50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/14(火) 15:53:48.44 ID:KgKqg9VtO
「第一水雷戦隊、旗艦の酒匂を始め、以下、漣、響、叢雲、島風。帰投致しました」

「ん? あー、はい。確認しました」

鎮守府に帰還した私達を出迎えたのは、鎮守府近海の警戒を形だけ行っている、やる気の感じられない守衛二人だけだった。

「せっかくの凱旋だと言うのに、虚しいものだね」

「……いつもの事ですけどね、それは」

結局、海戦で勝利した私達だが、とてもじゃないが無事であるとは言い難く、負傷者を気遣いながら、なんとか帰還を果たす。
夜戦に持ち込んで、敵艦隊を殲滅したのだが、帰投に時間をかけすぎたか。鎮守府に着いた頃には、日は真上に近い位置で輝いていた。

「大破している島風さんと叢雲さんは急いでドックに。あたし達はドックが空き次第、順次入渠。それでいい?」

「構わないさ。慣れている」

酒匂さんの指示に異論はないため、私も頷いておく。

「じゃあ、あたしは二人を連れていくね。二人とも、また後で」

大破している二人は、既に歩くだけで精一杯なんだろう。酒匂さんにゆっくりと手を引かれ、ドックのある方に向かっていった。

「響さんはどうするんですか?」

「……さすがに眠いから、自室で寝るよ。ドックが空くのも、まだまだ先だろうしね」

本当に眠いのだろう。欠伸を噛み殺しつつ、響さんは答える。

「そう……ですか。では、私は提督に、今回の出撃の報告でもしましょうか」

「それは皆で行った方が良いと思うけれど」

「島風さんと叢雲さんの修復に時間がかかりそうなので。それで報告が遅れると、確実に怒鳴られちゃいますし」

伊達に初期艦はやってない。こちらの事情が鑑みられる事なんて、あの提督には期待するだけ無駄と理解している。

「なら、私も付いていくよ」

「いえいえ、大丈夫です。寮まで送っていきますので、響さんはゆっくりとお休みなさっていてくださいな」

申し出自体は有り難いものではあるが、睡魔と激しい戦いを繰り広げているのだろう。響さんの足は既に覚束ないものとなっている。
どこか微笑ましいその光景に、暗くなりつつあった気分が少しだけ晴れる。そして、彼女の手を引いて、私は駆逐艦の寮に向けて歩き出した。


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