16: ◆EhtsT9zeko[saga]
2014/10/06(月) 23:33:10.09 ID:l+3sZe1fo
私も木苺をもらって、それからアケビも剥いて妖精さんと分けて食べる。
だけど、やっぱりこればっかりじゃ、お腹はいっぱいにならないよね…パンとは言わないけど、このお芋を焼いて食べたいな…あと、魚も。
「ね、妖精さん。この洞穴、火を使ったらまずい?」
私は妖精さんに聞いてみた。すると妖精さんはパタパタっと羽ばたいて、昨日みたいに私の服の裾をつかんで大きな木のある外の方へと私を連れていく。
そのすぐそばに、私の頭くらいの大きさの岩がゴロゴロと転がっているところがあって、その真ん中には火を焚いた跡が残っていた。
「トロールさんも、火を使うの?」
妖精さんは、コクコクとうなずく。
そうなんだ…トロールさんて、こう、動物とかも生で頭からムシャっと食べるのかと思ってたけど、そうじゃないんだなぁ。
「そうだ、火をつけるには薪がいるね!」
私はそれに気が付いてあたりを探してみるけど、燃やすのに良さそうな木は見当たらない。
外にとりに行かなきゃダメ、か…
私はそのことを妖精さんに言ってみる。すると妖精さんは、着いてきてくれる、って身振り手振りで私に言ってくれた。
それから私は昨日みたいに妖精さんに連れられて洞穴を出口の方に向かって歩いた。
洞穴の中は、やっぱり奥に進むと真っ暗で何にも見えなかったので、妖精さんがいてくれてよかった。
洞窟の外は、うっそうと茂る森だった。昨日は真っ暗で木があるくらいしか気が付かなかったけど、こんなに深い森だったなんて思わなかった。
こういう、日の光が差しにくい場所に落ちてる木はたいていが腐ったり湿ったりしていて火をおこすには向いてないって父さんが言ってた。
薪にするなら、もう少し日当たりの良いところにある木じゃないとダメだろうなぁ…
「妖精さん、もう少し開けたところに案内してくれないかな?ここにある木だと、火が着かない気がして」
私がお願いしたら、妖精さんは空中でクルっと回って森の向こうを指さした。
あっちに行けばあるんだね…行ってみよう。
私は足を踏み出した。
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