1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/14(火) 23:18:19.80 ID:rvPDD/C20
「Pさんは、私が何歳か知っていますか?」
十月になりすっかり秋めいた町中を二人で歩いていた。
レッスン終わりだし、疲れて黙っていたのかもと思っていたけど、俺の隣、頭一つ低い位置から、不意にそんな声が聞こえてきた。
「知ってるさ。十七歳だろ?」
彼女、道明寺歌鈴に、当たり前だろって付け加えてそう微笑んだ。
元気はつらつ… とは少し違うのかもしれないけど、いつもの歌鈴の様子とは違った声色が、何か大事な話でも始めるのかなと、そんな予感をさせた。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:20:17.54 ID:rvPDD/C20
思えば最近、何処か心ここに在らずといった風で、いつもぼんやりとしていたと思う。
らしくないって少し気掛かりではあったけど、何か悩み事ならきっと歌鈴から話してくれるだろうと、俺はあえて触れないでいた。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:22:16.62 ID:rvPDD/C20
「Pさんと出会って、アイドルになって… こんな私でも頑張れるって知ったんです」
「それはよかった」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:24:20.26 ID:rvPDD/C20
「つ、つまり、ですねっ!」
「?」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/14(火) 23:25:54.79 ID:zCsksu8Do
来てしまったか
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2014/10/14(火) 23:26:19.47 ID:rvPDD/C20
「………です…」
「は?」
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2014/10/14(火) 23:28:14.39 ID:rvPDD/C20
「あ、あと一年で高校も卒業しますっ! そしたらもう大人ですし、その、Pさんの隣にって…」
「………」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:30:25.90 ID:rvPDD/C20
「…そうだな」
どうにも煮え切らないのは俺の悪い所だと思う。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:32:07.16 ID:rvPDD/C20
「………十八になって高校出たって、まだまだ子供じゃないか」
どのくらい思案していたんだろうか。一つ解決策を見出した。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:33:31.35 ID:rvPDD/C20
今度は歌鈴が考え込む番か… とも思ったが、そんなことは一瞬たりともなかった。
不安が見え隠れしていた表情は、みるみる内に満面の笑顔へ。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:34:54.71 ID:rvPDD/C20
騙している様で気が引けるというのもある。
歌鈴を受け入れる事は無いって結論が、己の中で揺らぐ可能性は万に一つも無い。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:36:22.38 ID:rvPDD/C20
「…帰ろうか」
「はいっ!」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:38:14.11 ID:rvPDD/C20
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:40:22.15 ID:rvPDD/C20
「肇、居たのか」
応接用のソファーに座って、眠たげな瞳を投げかける藤原肇にそう声を掛けた。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/14(火) 23:41:30.89 ID:qC+moFvMo
期待。わくわく
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:42:26.69 ID:rvPDD/C20
「何かお仕事で問題が起きたんですか?」
やっぱり若干不機嫌そうなトーンで肇は続ける。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:45:17.57 ID:rvPDD/C20
歌鈴、お前余計な事言うなよ。
さっきまで俺の隣でニヤニヤしてるだけで、帰社の挨拶すらしなかったのに。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:47:37.61 ID:rvPDD/C20
「肇ちゃんはPさんと約束があったんですか?」
俺と肇の微妙な空気を察知できてい歌鈴が、何の悪気も無しにそう聞く。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:49:36.50 ID:rvPDD/C20
「次回のライブについて相談があるんだよな!? な、肇!」
「あ… はい、そうです…」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:51:26.85 ID:rvPDD/C20
「__ホテルのレストランを予約してるって、プロデューサー言いましたよね?」
「………おお、そう言えばそうだったな!」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/14(火) 23:53:08.55 ID:rvPDD/C20
「ふぇ… そんな大事な約束してたんですね」
「そうなんです。だから歌鈴さん、もういいですか?」
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