過去ログ - 学校からの帰り道、死神に声をかけられた
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/30(木) 21:12:42.66 ID:95lc/J3L0
期待


18: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/02(日) 21:12:13.09 ID:YGKY5GhXo

 呆けた頭で過ごす七時間弱はずいぶん早く過ぎたように思えた。
 朝いつの間にか学校にいたのと同じく、気づいたら放課のチャイムが鳴っていた。
 なんだか妙に感覚が遠いように思える。
 意識だけが別の世界にいて、そこから体を操縦しているような気分だった。
以下略



19: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/02(日) 21:13:18.24 ID:YGKY5GhXo

 ホームルームが終わり、学は靴を履きかえて校門を出た。
 右に進むと大通りにぶつかり、その道を真っ直ぐ行けば学の家のある住宅地に着く。
 それが学の最短の帰宅コースだ。
 しかし今日は校門を左に曲がった。
以下略



20: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/02(日) 21:14:57.47 ID:YGKY5GhXo

 学は立ち止まった位置のままで口を開いた。
 話をするにはわずかに距離が遠いが人気がないので声は苦もなく届いた。
「どうしてここに?」

以下略



21: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/02(日) 21:15:53.01 ID:YGKY5GhXo

 指摘の言葉も無視されて、学は仕方なくアケミの隣に並んだ。
 離れたコートの方に目をやると練習着の部員たちがボールを打ち合っているのが見えた。
 素人目にも上手い部員もいれば下手な部員もいる。
 いまいちわからない部員が圧倒的に多いが。
以下略



22: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/02(日) 21:16:47.18 ID:YGKY5GhXo

「アケミさんは本当に死神なんですね」
 朝の事故を思い出す。
 潰れた車と崩れたブロック塀。
「和泉さんは……死ぬんですか」
以下略



23: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/02(日) 21:17:20.04 ID:YGKY5GhXo
つづく


24: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/04(火) 17:06:00.95 ID:DwabHzF/o

 なんでこの人が死ななければならなかったのか。
 そういった惜しまれ方をするであろう人間が世の中にはいる。
 香奈はきっとその一人なんだろうな、と黒板の問題を解く彼女を見ながら学は思う。

以下略



25: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/04(火) 17:06:59.04 ID:DwabHzF/o

 休み時間になると、クラスメイトの一人が香奈に泣きついた。
 次の授業までの宿題をやっていなかったらしい。
 あまり時間のかかるような課題ではないのだが、そのクラスメイトはあまり成績の良い方ではなかったように思う。
 香奈は呆れながらも助けてやることにしたようだった。
以下略



26: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/04(火) 17:08:09.00 ID:DwabHzF/o

 才能に恵まれているだけではない。
 彼女は好かれている。
 好かれて、必要とされている。
 もちろん楽して宿題を終わらせるための道具としてではなく一人の人間として、ということだ。
以下略



27: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2014/11/04(火) 17:09:22.28 ID:DwabHzF/o

 放課後、昨日と同じようにテニス部の練習を眺めていると後ろから気配がした。
 振り返らずにつぶやく。
「なんで和泉さんが死ぬんだろ」
「さあ?」
以下略



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