過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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832:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 17:53:03.30 ID:fUuHQ7Ru0
 勇者達が消息を絶って三ヶ月――――
 魔王城に最も近い『武の国』は、これまでにない規模の魔王軍の侵攻に晒されていた。

兵士長「退くな!! 我らの敗北はすなわち人類の敗北を意味するものと知れ!!」

以下略



833:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 17:54:55.16 ID:fUuHQ7Ru0
 件の三番隊は、凄惨たる有様となっていた。

三番隊隊長「ぐ…う…」

 隊長も既に地面に横たわり、虫の息だ。
以下略



834:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 17:56:12.57 ID:fUuHQ7Ru0
 二体の魔物を瞬殺した騎士は、夕焼けによって赤と青が混じり出した空を見上げる。

騎士(勇者……お前は今どこで、何をしてるんだ?)

 騎士は空に向けていた目線を地平線に戻した。
以下略



835:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 17:56:54.38 ID:fUuHQ7Ru0





以下略



836:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 17:57:47.98 ID:fUuHQ7Ru0
 思わず目を閉じた二人を今度は耳をつんざく轟音が襲う。

騎士「な、なんだぁ!? 何が起こった!?」

兵士長「い、今の光と音は…」
以下略



837:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 17:58:25.25 ID:fUuHQ7Ru0





以下略



838:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 18:00:05.34 ID:fUuHQ7Ru0
 時は三か月前に遡る。
 勇者一行は光の精霊についての情報を求め、『伝説の勇者』の足跡を辿り、そして遂に有力な情報に行き当っていた。

「世界の中心、言わば地球のへそとでも言うべき地に聳え立つ世界樹。世界全体をその根で支えていると伝えられるその聖なる樹に『光の精霊』は宿っているという」

以下略



839:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 18:01:05.77 ID:fUuHQ7Ru0
勇者「いやいやいや! はーッ!? はぁぁッ!?」

 思わぬ事態に狼狽した勇者は何度も翼竜の羽を発動させようと試みた。
 しかし、羽はうんともすんともいわない。体が浮き上がる兆候はいつまでたっても訪れない。

以下略



840:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 18:01:59.45 ID:fUuHQ7Ru0
 三日が経った。
 勇者達は未だ世界樹の森から出ることも、光の精霊の宿る樹を見つけることも出来ていない。
 勇者は武道家、戦士、僧侶に干し肉を手渡すと、食料を入れていた袋を逆さまにしてがさがさと振った。

勇者「……これで、持ってきた食糧は最後だ。これから先は、いよいよこの森の中で食糧を調達しなきゃいけなくなる」
以下略



841:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 18:03:36.80 ID:fUuHQ7Ru0
 巨大猪を打ち倒してから、勇者は早速死体の解体作業に入った。

武道家「そ、そいつも食べるのか?」

勇者「当然だ。コイツの肉が食用に適してるってわかれば、このサイズだ。もうほとんど食糧の心配をする必要が無くなる」
以下略



842:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 18:05:18.62 ID:fUuHQ7Ru0
 そんなことを言っていたのが良くなかったのかもしれない。

 勇者は大木の根元に身を預け、虚ろな瞳で空を見上げていた。
 他の三人も似たり寄ったりだ。皆思い思いの体勢で無気力に地面に横たわっている。

以下略



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