過去ログ - 【艦娘による不審船への対応案件】長良「停船セヨ」五十鈴「立チ入リ検査ヲ実施スル」
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12: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:38:17.05 ID:084IZWFd0

 2人は驚きに顔を見合わせた。
 ――海上警備行動。海保の対応能力を越えた事態が起こった際に、防衛大臣から海自に対して発令される治安維持行動だ。
 この事案で出撃するのは初めてだった。しかし2人は目を合わせると頷く。

以下略



13: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:39:37.05 ID:084IZWFd0

「こちら巡視船あかいし。不審船は尚も航行を続けている、どうぞ」

 "あかいし"は、僚艦たちと共に漁船を追跡していた。

以下略



14: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:40:49.06 ID:084IZWFd0

 何もできない悔しさに、船長は奥歯を噛んだ。
 だが漁船は領海線から僅かのところまで迫っている。このままでは領海を侵犯されるのは必至だった。
 船長としては、それだけは絶対に避けたかった。ただでさえ海保の存在意義は、深海棲艦の存在によって揺らいでいるのだ。
 ここでみすみす領海を侵犯されるような大失態を起こせば、海保の信頼は失墜してしまう。
以下略



15: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:42:14.31 ID:084IZWFd0

 ――2人は漆黒の海を、レーダーだけを頼りに疾走していた。

「五十鈴、向こうの位置は?」
「このまま真っ直ぐよ。海保の巡視船、それから例の不審船の反応があるわ」
以下略



16: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:42:59.57 ID:084IZWFd0

「こちら巡視船あかいし!聞こえますか、どうぞ!」

 無線から切羽詰まった声が聞こえた。

以下略



17: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:43:47.00 ID:084IZWFd0
少し電話かけてきます。
5分ほどで再開します。


18: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:50:42.69 ID:084IZWFd0

 2人は海保の包囲網に突入した。
 電探を搭載した五十鈴を先頭に、不審船の反応がある方へ疾走する。やがて黒々とした海面に、うっすらと小さな船影が見えた。

「五十鈴、見えた?!」
以下略



19: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:51:28.45 ID:084IZWFd0

「向こうも気付いたわ!」

 五十鈴が叫んだ。
 機関砲が炸裂、無数の曳光弾が連なりながら飛来した。2人は身体を揺らすとジグザグに回避する。いくつもの閃光が辺りを掠め、周囲で水柱を上げた。
以下略



20: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:52:15.25 ID:084IZWFd0

「誘導ミサイルよ!回避して!」

 五十鈴は、はっと顔を上げた。
 男の背後でバックブラストが噴き上がる。2人は高速で逃れようとした。
以下略



21: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:53:04.57 ID:084IZWFd0

 漁船はエンジンが停止した後も、しばらくは動いていた。
 長良と五十鈴は漁船と並走した。するとその姿がはっきりと見えてくる。
 潮風に曝されてくすんだ船体――その至るところに、無数の弾痕が穿たれている。
 船尾の対空機関砲はひしゃげて壊れ、辺りで引火した砲弾が煙を上げていた。操作員は間一髪で逃れたのだろうか、その姿は見えない。
以下略



22: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:53:48.62 ID:084IZWFd0

 その時、漁船が爆発した。
 高々と炎が上がり、ブリッジを粉々に吹きとばした。その熱波と衝撃波に、2人は顔を覆う。そして目を開けると呆然と立ち尽くした。
 デッキは激しく燃え盛り、船体側面には大きな孔が開いている。そこから火の粉と黒煙が吹き出していた。

以下略



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