過去ログ - 海未「夜の果てへと旅立ったあなたへ」
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[sage saga]
2014/12/01(月) 14:18:31.01 ID:2hBFblv8o
『赤の他人のくせに、よけいなこと言わないでよ』
あの子は母にそんなことを言ったそうです。
あの夜、それを聞いた時、
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2014/12/01(月) 14:19:07.36 ID:2hBFblv8o
高校三年の夏ごろ、雪穂に高坂家の秘密を打ち明けられました。
あの子が夏風邪をこじらせて授業後に倒れた日の夜、
二人でおかゆと氷枕を支度する合間のことでした。
以下略
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2014/12/01(月) 14:19:43.68 ID:2hBFblv8o
畳の上でぽっかり空いた場所を眺めていると、最後の日の声が聞えてくるようです。
海未ちゃん、叱ってよ。
私のこと、愛する娘を奪って逃げてこうとか考えちゃう、最低な私のこと。
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2014/12/01(月) 14:20:19.99 ID:2hBFblv8o
『海未ちゃん、ありがと。 ……ごめんね』
妹の雪穂と共に蒸発する前夜、穂乃果はそう言い残してこの部屋を出ました。
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2014/12/01(月) 14:20:56.30 ID:2hBFblv8o
また明日、お話しましょうね。
絶対ですよ、と玄関先で掴んだ手はとうに冷え切っていて、
穂乃果は、あははと笑って、返事を避けました。
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2014/12/01(月) 14:21:32.63 ID:2hBFblv8o
時はめまぐるしく過ぎていきます。
気づけば凛たちも大学を卒業する頃で、
ことりは表参道とフィレンツェのオフィスを往復する日々、
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2014/12/01(月) 14:22:08.94 ID:2hBFblv8o
「――みちゃん、海未ちゃんっ!」
懐かしい声が聞こえて、目をさましました。
ぼやけた焦点が少しずつ合わさると、
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2014/12/01(月) 14:22:45.31 ID:2hBFblv8o
「海未ちゃん、大丈夫?」
「今日でその言葉、二回目ですね」
こんな風に冗談で返すのも、あれから少しして身につけたことです。
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2014/12/01(月) 14:23:21.63 ID:2hBFblv8o
「海未ちゃん。ちょっと、眠ってた方がいいよ」
子供じゃないんですから、
とごまかしそうな私の手をことりが掴んで、じっと見つめます。
以下略
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2014/12/01(月) 14:23:57.95 ID:2hBFblv8o
ほのか、ほのか、ほのかぁ……
私は、
あの子の名前を何度も呼びながら、
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2014/12/01(月) 14:24:34.29 ID:2hBFblv8o
あの夜よりも少し前、たしか二人のことを知った辺りの頃です。
音を立て、舌をからめあい、
指と指を重ねて一心不乱に求め合う様に、
以下略
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