過去ログ - 海未「離陸する夜/鎖をぬけて」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/04(木) 03:36:46.24 ID:qag8A9teo

「いくよ!  そーぉ、れえっ!」

 私が地面を蹴り上げる
 と同時に、穂乃果の両手が私の背中を押します。


   ほんの一瞬、
    すべての重力から解放され、
    空に飛び立ったような心地がしました。

 長らく忘れていたその感覚に私は戸惑い、
 これから二人ですることも忘れて鎖を強く握りしめます。

 手のひらが痛むほど、
 きつく。

 それでも鎖はちぎれるどころか
 汗や熱を感じさせてくれて、
 背中の笑い声は からからと 夜空に響いていました。

 時間も 年齢も 終わりのことも、
 重力さえも 忘れてしまって、
 私まで 子どもみたいな高い声をあげてしまいました。




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