過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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20: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:51:08.39 ID:x2ueaAjJo

 少しだけ、時は遡る。瑠璃の少女が病室の前へと立った時と同じころ。
 病院一階の待合室にて冷笑的な少女が控えめな少女へと語りかける。

「今日のお昼休みに彼女に会ってきたわ」

「えっ! えぇと、大、丈夫、だったんだよね?」

「そうね。取りあえずは話し合いだけで済んだわ」

「それならっ、仲良くなれた、の?」

「いいえ。はっきり言うわね、彼女巴マミはあなたの命を狙ってる。
理由は分からない。それどころか、多分私の命も狙っている」

「そんな……。どうして……?」

「何故なのか、それは分からないわ。だからそれは色々と調べてみるつもり」

「一人で、調べるの?」

「えぇ、でも大丈夫一応当てはあるから。
それよりも、自分の心配をした方がいい。なるべく私があなたを守るけれど、自衛することも大事よ。
彼女、少なくとも騒ぎが大きくなることは望んでいない様子だった。だから、なるべく人通りの多いところにいて」

「う、うん。そうだね。それで、暁美さんはその……、」

「ほむらでいいわ。何者かって聞きたいの?」

「う、ん。それから昨日のお花畑みたいなところとか、」

「そうね、少しだけ話すわね。私は、私たちは魔法少女」

 少女は掌に自分自身を乗せて見せる。

「魂を宝石へと変えて、たった一つの祈りのために戦う存在。これが私の全てなの。
これが壊れたとき、私は世界を呪う存在へと昇華される」

「なにをいってるの?」

「昨日化け物を見たんでしょう? 
この宝石が黒く染まりきったとき私たちはあれと同質のものに成り果てる。そういう存在」

 宝石を強く握りこむと、指輪へと変化させる。

「それってさ、私にもなれるのかな?」

「それは、……分からないわね。時期が来ればおのずと分かるかも知れないわ。
ただね、私はあなたには普通のままでいてほしい。こんな存在になんてなって欲しくない、そう思うの」

「そっか、そうだよね。昨日の人も凄く、怖かったもん。でも、ほむらちゃんは違うんでしょ?」

「本質的には、同じよ。彼女も私も願いのために戦っている。他ならぬ自分自身のために、ね」



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