41: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:18:56.66 ID:x2ueaAjJo
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逢魔ヶ刻。
見滝原市郊外の大型バスターミナル。
夜の間は施設自体が完全に眠りに落ちるこの場所は、真昼の喧騒とは一転した静謐さを見せる。
人が集まる場所というものは、常に人の感情が集まる場所と言い換えられる。
つまりここは、見滝原という街の中でも、特に魔女の集まりやすい場所の一つに数えられている。
そんな場所に少女が一人。
余裕と、諦めにも似た笑みを浮かべて辺りを見回す。
体の正面に開いた右手の上には艶やかな橙の魂が煌めく。
「うーん、もしかして中に一人いるのかしら? だとしたら、いやねぇ」
ポン、と軽く手を跳ね上げて、自身の魂たる宝石を宙へと開放する。
宝玉は眩い光を引き起こし、身を包み込む。
少女の姿は別世界から引き寄せられたように変化して、
「さて、」
歯車を撒くような、奇妙な音が小さく響く。
そして、空間にポカリと魔法陣が浮かび上がった。
「魔女さん、魔女さん、死刑の時間です、なんてね」
魔法陣の中へと、飛び込む。
すると、世界から少女という『色』が消え去った。
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