24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 06:58:37.87 ID:DL0z8tZuo
聞くと、彼は他のプロデューサーと違って、非常勤講師のような役割を受け持っているらしい。
先日の工藤さんの仕事は、担当の予定が合わないため彼が代打で付いた。
そうしたピンチヒッター以外ではもっぱら事務仕事や裏方のさらに裏方仕事をこなしている。
「肩書はプロデューサーだけど、実際はやることの多い雑用係みたいな感じ」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 06:59:22.46 ID:DL0z8tZuo
「さて、アイドルやろうってなると、読者モデルの方は辞めることになるけど……」
「もう、辞めました」
フォークを繰る彼の手が、一瞬止まる。
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2014/12/20(土) 07:00:36.73 ID:DL0z8tZuo
「……貴方にプロデュースしてもらいたかった」
「僕に?」
彼は丸めたスパゲッティを口に運び、なにを言うべきか迷うように咀嚼し、飲み込んだ。
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:01:05.63 ID:DL0z8tZuo
「……プロデューサーさん、私をスカウトしてくれませんか」
彼はコップの水を一口含み、首を振った。
「それは、オーディションを免除してくれってこと?」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:02:13.94 ID:DL0z8tZuo
「わがままだっていうのは分かってます」
「……少し、考えさせてくれ」
「少しって、どれくらいですか」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/20(土) 07:02:16.14 ID:tMvMDqNTO
違ってたら悪いけど雪歩の奴も書いとくれぇぇぇ!
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:03:54.73 ID:DL0z8tZuo
彼の決断は言った通り早かった。
コンビニからホテルの部屋へ帰ってくると、携帯電話が鳴った。
買ってきたサンドイッチとココアをチェストの上へ置いて、私は電話を取った。
「もしもし、プロデューサーさん」
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:04:33.90 ID:DL0z8tZuo
「僕は、君をプロデュースしようと思う」
「……ありがとうございます」
ひとまず良かった。ほっと胸を撫で下ろす。
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:05:06.81 ID:DL0z8tZuo
「どうして僕にプロデュースされたいと思った?」
それは予期せぬ質問だった。私はためらいがちにベッドの上へ戻って、
チェストに備え付けてあるラジオの電源を入れた。
ざあ、と冷たいノイズが足元へ落ちて行った。
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:05:33.13 ID:DL0z8tZuo
――――
私の垂れ目は父譲りだ。
小学生の頃は、泣いていないのに泣き虫だと言われて嫌だった。
今も、相変わらず好きになれずにいる。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:06:09.18 ID:DL0z8tZuo
私と母とプロデューサーさんの三者面談は夕飯前に済んだ。
ご一緒にいかがですか、と母の言う社交辞令をかわして、プロデューサーさんは出て行った。
私は夕飯のビーフシチューを急いで飲み込んだ。
母はもしかしたら、カレーとハヤシライスとビーフシチューを、
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