過去ログ - 女勇者「帰還後王子と結婚できると思っていたら」
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130: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/28(日) 15:11:14.29 ID:78zrijn/0
王子「勇者、月光の湖畔に行かないかい」

王子にそう誘われ、私は着いて行く。
湖畔に行きたかったというより、城での軟禁で息が詰まっていた為、解放されたい気分があった。
それに喪中期間、私は婚約者であるはずの王子とほとんど話していなかった。王子も国を継ぐにあたって忙しく、ろくに休んでいられなかったようだ。

やがて湖畔に辿り着く。
満月だ――丁度、王子と魔法使いの情事を盗み見してしまった、あの時と同じ。湖畔の風景は、あの時と全く変わらない。

王子「誰もいないね」

勇者「そうですね」

私と王子は並んで腰を下ろす。
時は静かに流れていく。王子とこんな時を過ごすなんてのは、いつぶりだろうか。

勇者「王子――」

しかし、言わねばならないことがあった。

勇者「魔法使いのことですが」

王子「――あぁ」


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