過去ログ - 橘ありす「見上げる空は遠いけど」
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1:地の文混じり注意です[saga]
2014/12/26(金) 18:47:58.91 ID:pkgmGLlu0
12/24
ありすちゃんへ
今年のクリスマスは、家に帰れなくてごめんね。ありすちゃんから貰ったカード、大事にするからね。
プレゼントは何が欲しいか、メールしておいて欲しいなあ。そうしてくれたら、年末くらいにはプレゼントするからね。
冷蔵庫の中にリンゴのケーキがあるから、それをクリスマスケーキにしてください。
メリー・クリスマス!明日の夜には帰ります。
ママより
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2:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 18:52:09.13 ID:pkgmGLlu0
はらりと降り落ちた粉雪が、溶けてディスプレイを歪めました。そのひずみの玉を、撫で払うように拭いました。
けれど、後から後から降ってきて、キリがありません。メールはいつまでたっても、ぐにゃぐにゃと曲がったままでした。
少年「ホワイト・クリスマス!」
3:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 18:55:59.04 ID:pkgmGLlu0
私にとってサンタさんとは、親そのもののことでした。それは決して、子どもが親に対してする『知らないフリ』みたいな、優しいウソの類じゃありません。
親に欲しいものを要請し、二十五日を過ぎてから貰う。小学生のいつごろかまで、聖夜とはそんな日のことでした。
『皆は、サンタさんからプレゼントを貰えるのに。私だけ、サンタクロースって夢を貰えない』
4:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 19:02:01.61 ID:pkgmGLlu0
PaP「佐久間まゆが応援に入れぬだと!?友紀もいない!?こ、これでは961プロに勝てん!」
モバP「光の一番新しい資料、送るんで読んでください。光をそっちに回します」
5:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 19:06:59.66 ID:pkgmGLlu0
ちひろ「通りますよー!開けて開けてー!」
重そうな台車を引いたちひろさんが、まるで戦車みたいな勢いで、エレベーターに突貫しました。
6:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 19:10:03.55 ID:pkgmGLlu0
奥のデスクでは、先輩の飛鳥さんと、私の担当のPさんが、しかめっ面で話し込んでいました。
飛鳥「カードはもう用意した。あとは、反応次第だね」
7:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 19:14:34.11 ID:pkgmGLlu0
その後、二人はちゃんと説明をしてくれました。
ありす「光さんの服……ですか?」
8:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 19:15:49.31 ID:pkgmGLlu0
モバP「靴を二足以上持ちたがらない光に、飛鳥みたいなハイソな格好の維持は厳しいしな」
モバP「送っていきなりタンス行きは嫌だから、手堅いのがいいんだ」
9:すみません。一旦落ちます。[saga]
2014/12/26(金) 19:20:51.36 ID:pkgmGLlu0
『私と光さんの身長は、ほぼ同じです。だから、私の選ぶ服なら、光さんにとっても適当なはずです』
そう二人に言ったら、思い立ったが吉時だと言って、荷物一式を持ってデパートに出発することになりました。
もちろん、そのデパートの近くでは、私と飛鳥さんで代打出来そうな仕事が行われてます。
10:再開します[saga]
2014/12/26(金) 19:59:22.79 ID:pkgmGLlu0
もう少しだけ、お蕎麦屋さんを見てたかったな……。そう残念に思った時、サンタの格好をしたカーネル・サンダースの像が見えました。あれ、友紀さん?気のせいですよね。こんな日に酔っ払って、サンタカーネルとボクシングしてるはずなんかありません。
……カーネルに刺激されたからなのか。ふと、光さんはいい子だから秘密をプレゼントされるのかな、と思いました。
11:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:06:18.38 ID:pkgmGLlu0
でも。
『私はクラスメイトと違って、一次方程式が解ける』
12:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:08:03.15 ID:pkgmGLlu0
飛鳥「……Santa Claus is coming to town♪」
飛鳥さんが、何故か途中から『サンタが街にやってくる』の一節を口ずさみました。
13:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:11:37.24 ID:pkgmGLlu0
途中、走る子どもにぶつかって転びそうになりながらも、ファッションフロアに到達出来ました。
飛鳥「光には、白が似合うと思うんだ。……どうかな」
14:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:12:38.80 ID:pkgmGLlu0
飛鳥「白は正義や希望の色だからね。ヒーローの光には、きっとちょうどいいさ」
ありす「なら、黒は悪役の色なんですか?」
15:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:15:42.38 ID:pkgmGLlu0
ありす「そうなんですか」
飛鳥「うん。……そうそう、面白いものを見つけたんだ」
16:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:18:12.79 ID:pkgmGLlu0
そうして案内された部屋の空気は、はっきり異様でした。ほぼ半裸の筋骨隆々とした大男が、包装紙のロールを前にして仁王立ちしているからです。
モバP「さあ、始まるぞ。これを見ないと、厄が落とせない」
17:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:20:21.01 ID:pkgmGLlu0
そのあとは、すぐ近くにあったフードコートで、苺のクレープを貰いました。……私がねだったんじゃなく、Pさんが奢ってくれたんです。
飛鳥「クリーム、・に付いているよ」
18:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:24:16.55 ID:pkgmGLlu0
スケジュールが、ある程度整理されたのか。あるいは、遊んでいたバチがあたったのか。非科学的なことですら、信じたくなる気分です。
風邪を拗らせた加蓮さんの繋ぎをしたり、山に向かって歌い出したヘレンさんの回収をしたりと。さっきまでの休みが嘘みたいに、次から次へと仕事が入って来たからです。
19:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:25:06.57 ID:pkgmGLlu0
仮眠室のベッドは、光さん以外にも、小梅さんや仁美さんと言った、たくさんのアイドルたちで一杯になってました。
起こさないように、抜き足差し足を徹底しながら……。くぅくぅと寝息を立ててる光さんの枕元に、ラッピングされたプレゼントを置きました。
20:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:29:50.27 ID:pkgmGLlu0
ちひろ「失礼しまーす……ありすちゃん?」
ありす「えっ、ちひろさん?」
21:名無しNIPPER[saga]
2014/12/26(金) 20:32:40.36 ID:pkgmGLlu0
プレゼントを配り終えてから、私は事務室のソファで休んでました。
隣のソファや、奥のデスクには、突っ伏して寝てる事務員さんたちがいました。
事務員b「おーい、仮眠交代でしょー」
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