過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
1- 20
57:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 20:22:39.46 ID:gIGEqEoto

「ベアトリーチェ!」

立ち往生する俺に、朝倉の援護が届いた。背筋を襲う寒気とともに、俺の背後から、眼前の炎の壁に向かって、無数の氷の礫が放たれたのだ。
先刻戦った女の戦法を彷彿とさせる朝倉の攻撃は、燃え盛る炎に触れた瞬間、水蒸気となり、音を立てながら爆ぜた。爆風が、炎の威力を一瞬、弱めさせる。その瞬間を狙って、俺はダンテを再び放った。
熱の中を掻い潜り、ついにシャドウの目前へとたどり着く。羽ペンを唸らせ、二体のうちの一体―――うすら長い方の巨体に向かって、羽ペンの先端を叩き込む。
重く、強固な手応え。しかし、ペン先が、シャドウの体表を貫く事は無かった。再び、シャドウとダンテの間に、あの半透明の壁が現れたのだ。電流が走った様な音を立て、ダンテのペンは弾き返される。
古泉の矢を防いだ事とあわせて鑑みるに、この壁に、物理攻撃は効きそうもない―――となれば、頼みの綱は朝倉か。

「行きなさい」

いつの間にか、俺の背後まで追いついていた朝倉が、再び氷の矢を放った。絶対零度の礫が、シャドウの障壁へと注ぎ込まれる。半透明の壁面に僅かに亀裂が入った。
その直後、ガラスが割れるような音を立てながら、砕け散る障壁。そこに、朝倉の追撃が叩き込まれる。氷の矢が、二体のシャドウの体表に着弾し、その巨体が僅かに後ずさった。ダメージが入ったのだ。
朝倉は、さらに新たな氷の矢を空中に並べ、それをシャドウに向けて放った―――それを見受け、シャドウが動く。今度は、丸っこい方のシャドウが、杖を持った短い腕を振るった。
すると、現れたのは、またも半透明の障壁だ。しかし、先ほど壁が青みがかっていたのに対して、今度はほのかに赤みを帯びている。
その壁に、朝倉の放った礫が着弾する。が、先ほどのように亀裂が入ることはなく、礫はすべて弾かれ、空中で砕け散った。

「厄介ね」

それを見受け、朝倉が呟く。察するに、あの赤い障壁は、魔法攻撃を防ぐ特性があり、先の青い障壁と使い分けられているといった所か。

「なら、同時に叩き込むまでです」

後衛の古泉が、朝倉と顔を見合わせ、互いに頷きあった。そして、二人同時に、ペルソナを召喚し、シャドウに向け、攻撃を放つ。古泉のアローシャワーと、朝倉の氷の礫の、合体技だ。
しかし―――それすらも、シャドウたちにダメージを与えるには至らなかった。
古泉と朝倉の攻撃が、シャドウの体表に届こうとした、その瞬間。シャドウたちは、二体同時に、各々の武器を持つ腕を、俺たちに向けて振るった。
直後、発生したのは、やはり障壁だ。

それも、『紫色』の。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
261Res/374.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice