過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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60:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 20:31:04.22 ID:gIGEqEoto
障壁を貫いた俺は、勢いを殺さないまま、手前に居た、丸っこい方のシャドウの土手っ腹に拳をぶち当てた。
見た目通り、ブリキに似た手触りの装甲が、銅鑼を鳴らしたような音ともに凹み、繋ぎ目らしき部分が歪む。
俺はそのつなぎ目に指を突っ込むと、剥がれかけた装甲を、一息に引き剥がした。その下から、動物の皮膚に似た、漆黒の体表が現れる。
その体表目掛けて、もう一度、右の拳を振るう。
肉が潰れる、生々しい感触とともに、シャドウの巨体は後方へと飛ばされ、背後に立っていたうすら長い方を巻き込んで、大地に跡を残しながら、校庭の端まで吹き飛んでいき―――やがて、黒い煙を発し始めた。


数秒、校庭に、静寂が訪れた。


「……―――はぁ」

呼吸を忘れていた気がして、ため息をつく。
は。と、我に返り、周囲を見回すと、五十メートルほど離れた位置に、古泉と朝倉が立っていた。
その表情は、呆然。

「……キョン、くん」

と、耳に届いた声を聴き、再びはっとする。
声の方向へ向き直ると、地面にしゃがみこんだままの体勢で、やはり呆然とした表情をこちらへ向けている、妹の姿があった。

「大丈夫……だったか?」

荒く息をつきながら、声をかけると、妹は無言で、首を縦に振った。
そして、直後に、その表情が歪む。

「キョンくん……キョンくぅん!!」

泣き声とともに、俺の鳩尾に、タックルをぶちかます妹。その勢いのまま、後方へと倒れそうになるのを、なんとか踏みとどまる。
腕の中で、嗚咽を上げる妹。俺は無言で、その背中を撫でてやる。怖かったのだろう、体はまだ、わずかに震えていた。


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