過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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名無しNIPPER
[saga]
2014/12/31(水) 21:31:03.51 ID:gIGEqEoto
そう言って放たれた伊織のペルソナの動きは、俺に、なるほど、歴戦の勇士というのは偉大なのだな。と、改めて思わせた。
辛うじてしか視認することのできないスピードで、時に滑空、時に上昇しながら、二体の石像が繰り出す反撃を、確実に回避しつつ、石像の体に斬撃を叩き込んでゆく、剣舞の如き軌道。
俺が、その剣撃が、石像の関節にあたる部分に向け、集中的に放たれていることに気づいたのは、石像たちの体が、とうとう崩壊し始めた頃だった。
なるほど。いくら強固な外殻を持っていても、主に動作する部分……すなわち、繋ぎ目は弱点となる。恐らく、伊織は、先ほど、凍りついた石像の体に生じた亀裂の入り方を見て、石像の体のどこが脆いかを、瞬間的に察知したのだろう。
威力はそこそこあるとは言え、猪突猛進的な攻撃を繰り出すしか脳のない俺の思考回路とは、まるで別物だ。言わば、戦いの勘というやつか。
「へへっ、こんなもんよ」
激闘を経た後、鼻の下を擦りながら、ペルソナを解除し、俺と朝倉を振り返る伊織。
その背後では、体を部品単位に分断された石像たちが大地に横たわり、やがて、黒い霧へと変わってゆく。
「お前……すごいやつ、だったんだな」
「おうよ、今頃気づいたのか?」
いや、マジで恐れ入った。鳥肌が立った。
見た目や言動だけを見て取って、軽い野郎だと認識していた俺の脳は、一度、誰かに叩き直された方がいいのかもしれない。
「これで三体……あとは、奴が落ちてくるはずです」
と、上空を見上げる天田。……ちょっと待て、やつが『落ちてくる』?
あの、中庭全域を埋め尽くさんばかりの、巨大なシャドウが?
俺と、朝倉と、伊織の三人が、上空を見上げるのは、ほぼ同時に、だった。
「ちょ……よく見たら、前より、デカくねえ!?」
今頃気づいたのか。
そう、このペースで、磔のシャドウが落ちてくると……俺たちは、あれだ。潰される。
低温とか、歴戦の勇士とか、関係ない。プチっと音を立てて潰される。
……ようやく、俺の脳は理解した。ヤバイ、と。
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