67: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/18(日) 01:26:50.97 ID:uP2qnu460
「目蓋を切り取るのもいいかもしれないネ。けどそいつは可愛いお目目がさらにクリクリになっちまいそうだから、やめておいたホウが良いだろう。代わりにお目目に包丁を突き立てるんだ。そしたら愛らしくないだろう? けれども、それだとやかましく騒ぎ立てるかもしれないからネ……舌をサッサと切っちまったホウが良いかもしれない……」
妾は頭が痛くなりました。
脳を守るタメだというのに、この男は妾の脳を壊そうとするのです。
68: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/18(日) 01:30:27.71 ID:uP2qnu460
「サア、これでわかっただろう? 脳味噌の守り方が」
「エ……エエ、エエ。そうですねエ……」
妾はかろうじて震える舌でそう告げました。
69: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/18(日) 01:31:56.82 ID:uP2qnu460
「ならば、俺についてくると良い。……そうしたらネ、キット今に、君は彼女に会えるのだから……」
「エッ……エッ。それは、ドウイウ……」
「だからネ……俺の行く先には君の想う人がいて……そして君は、自分のちっぽけな脳味噌を守る事が出来るんだよ……アハハ……アハアハアハ……」
70: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/18(日) 01:32:58.45 ID:uP2qnu460
包丁を握る手は白く、血の気を失っております。
妾はキット、鬼のヨウな形相をしていたのでしょう。
「サア……ついておいで。俺の後ろをシッカリ、ヒョッコリ……ついてくると良い」
71: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/18(日) 01:34:40.27 ID:uP2qnu460
その時です。
ピシャリという軽い音と共に、痘痕は潰されてしまいました。
恐ろしい叫び声が響き渡ります。
72:名無しNIPPER[sage]
2015/01/18(日) 06:06:14.49 ID:DsU91kcqo
なんとも面妖な話だねぇ
73:名無しNIPPER[sage]
2015/01/18(日) 07:07:56.56 ID:wcNFlaFT0
怖いな……
うん
74:名無しNIPPER[sage]
2015/01/20(火) 07:16:52.58 ID:g4rRPRjZ0
夢野久作っぽい
75:名無しNIPPER[sage]
2015/01/30(金) 18:28:13.58 ID:uF3dyUmC0
乙
76: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/02/07(土) 00:14:14.21 ID:EyJ2ILMk0
3
……お気分を悪くされましたら、どうか遠慮なさらず仰って下さい。
妾ナンゾは……あの、耳を劈くような声を思い出すだけで……胸が苦しくて、苦しくて……。
77: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/02/07(土) 00:17:44.63 ID:EyJ2ILMk0
エエ、エエ……申し訳ございません、ドウモ……。
本当に……恐ろしいものでした。なんとも信じがたい……エエ……。
それと同時に、ナンとも突拍子の無い……可笑しな話じゃないですか。
痘痕がギョロリと目をヒン剥いて、一人前の男として語りかけてくるなんて……。
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