過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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31:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:40:02.53 ID:EM5bJfah0
 どうしたら伝わる?

 出来るだけ短い単語で。

「く……く、つ……」
以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:42:07.69 ID:EM5bJfah0
 次の瞬間、自分でも不思議なほど俊敏に体が動きました。

 男の人から奪うように紙袋を取り返して、抱きしめます。

「……よかった。本当によかった……」
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:44:11.71 ID:EM5bJfah0
 普段のボクが見たら、鼻で笑ったかもしれません。

 ですが、これは男の人の厚意です。

 無下にしようとは思いません。
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:45:31.73 ID:EM5bJfah0
「それで鼻をかんでもいいからな」

「……かみませんよ、はしたない」

 ボクはそう言いながら、鳴るべく音が出ないように鼻を啜ります。
以下略



35:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:46:47.12 ID:EM5bJfah0
「だ、大丈夫です! 少し休めば立てます! ボク、カワイイですから!」

 強がりを言ってみました。

 最後の言葉は、自分でもどうして口にしたかわかりません。
以下略



36:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:50:18.95 ID:EM5bJfah0
 男の人はおもむろに上着の懐から携帯電話を取り出しました。

 画面を何回かタップして、耳に添えます。

「……もしもしちひろさん、今どこにいます? ……あぁよかった。近いですね。すみませんが、俺のところまで来て下さい」
以下略



37:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:51:53.65 ID:EM5bJfah0
「この子が持ち主だったんですね」

 開口一番、三つ編みの女性はそう言いました。

 彼女がちひろさんなのでしょう。
以下略



38:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:54:03.45 ID:EM5bJfah0
「あの――」

「女の子の特権ですよ、プロデューサーさん」

「女の、子?」
以下略



39:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:55:32.82 ID:EM5bJfah0
 ボクの言葉に、プロデューサーさんは不思議そうに首を傾げます。

「えっ、でも、さっきは……」

 その反応はわかります。
以下略



40:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:56:58.43 ID:EM5bJfah0
「それはそうと、ちひろさん。輿水さんを運んでくれません? なんか立てないそうなので。男の俺が運ぶと、色々あれですし」

「えぇ! ど、どうしたの!? プロデューサーさんに襲われたんですか!?」

「でっかい声で人聞きの悪い事を言うな! 場所を考えて下さい、場所を!」
以下略



41:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:59:21.57 ID:EM5bJfah0
「冗談はともかく、歩けないのなら私が運ぶしかありませんね。どうぞ、遠慮なく乗って下さい」

 言い終えるのが早いか、ちひろさんはボクに背を向けて屈みました。

 背負ってどこかに連れて行ってくれるみたいです。
以下略



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