過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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61:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:10:08.23 ID:EM5bJfah0
 プロデューサーさんも察してくれたようで、ボクの鼓膜に立会人さんの声が届くより早く、自分の耳に再び携帯電話を戻してくれました。

「もしもし? ……悪い悪い。でも靴の方は本当だ。……それは本人次第だよ。……あん? そんな事知らん。じゃあな」

 プロデューサーさんの言葉を聞く限り、一方的に通話を切ったみたいです。
以下略



62:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:12:16.94 ID:EM5bJfah0
 そんな事を考えていると、プロデューサーさんは足を止めました。

 彼の左側のドアには、医務室と書かれたプレートが貼られています。

 目的地に到着したようです。
以下略



63:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:15:46.98 ID:EM5bJfah0
 ボクの様子を見ていたプロデューサーさんは、スポーツバッグと紙袋をボクに向けて差し出して来ました。

「ここで返すよ。着替えたければ、医務室の中で出来る。保健師は女の人だけど、着替えたいって言ったら、医務室を空けてくれるはずだ。
 先客がいても、服屋にあるような更衣室が設置されてるよ」

以下略



64:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:17:29.44 ID:EM5bJfah0
 ボクは思考を働かせて、プロデューサーさんに問いかけます。

「……突拍子のない質問なんですが、プロデューサーって、誰かをプロデュースする人の事でいいんですよね?」

「? あぁ、そうだけど、それがどうかしたか?」
以下略



65:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:19:17.48 ID:EM5bJfah0
 ――いえ、やりたい事は決まっています。

 考えるまでもない事でした。

 しかし、ただそうする、と言うのはどうもボクらしくありません。
以下略



66:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:21:49.14 ID:EM5bJfah0
 医務室で着替えたボクは、プロデューサーさんに教わった通りの道を進みました。

 そうです、ボクはステージに上がると決めました。

 やりたい事が出来ましたので。
以下略



67:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:23:21.55 ID:EM5bJfah0
 ボクはお客さんたちを見つめます。

 全員で、五十人にも満たない人数。

 みんな、ボクが裸足のせいで、ざわついていました。
以下略



68:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:29:46.56 ID:EM5bJfah0
「実はですね、ボクの靴が誰かに盗まれ、隠されてしまいました。あぁ、こちらの彼女ではありません。
 彼女とは控室が違いますので、それは断言出来ます。ボクと同じ控室の人以外、不可能な状態でしたから」

 ボクが話し始めると、先程のざわつきが嘘のように静まり返りました。

以下略



69:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:35:05.59 ID:EM5bJfah0
 ボクはいつもの笑みを浮かべつつ、話を再開します。

「靴を隠すと言う事は、ボクの妨害をしたい人がいたと言う事になりますよね? これはもう心外です。呆れました」

 ボクは溜め息を一つ零しました。
以下略



70:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:36:55.43 ID:EM5bJfah0
「納・得・いきません! なんでボクが負けたんですか!?」

「負けは負けだろ。そんなカッカするなって。ほら、祝負会の飲み物が来たぞ」

「シュクフカイってなんですか!? もしかして、真ん中のフは負けの負ですか!? 嬉しくないですよ、そんな会!」
以下略



71:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 23:38:23.17 ID:EM5bJfah0
「まぁまぁ、幸子ちゃん、そろそろ落ち着いて。テーブル叩き過ぎて、両手も痛いでしょ?」

「……」

 ちひろさんに宥められて、ボクは渋々テーブルを叩くのをやめます。
以下略



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