過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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160:名無しNIPPER[saga]
2015/01/08(木) 20:22:36.36 ID:YFKlq4sxo

「ううん。私は、『涼宮ハルヒ』の中に還るの。私は、『影』……『涼宮ハルヒ』のペルソナ能力が創り出した、別人格だから」

目を合わせずに、ハルヒが言う。

「でもね、キョン。私は、ハルヒの中に帰るけど。人の心は、皆、普遍的無意識の海で、いつも繋がっている」

ハルヒはそう言うと、少し照れくさそうに笑った後、

「いつもあんたを見てるから。……忘れないで。私が、あんたを好きだったこと……そして、『涼宮ハルヒ』も、あんたのことを想っていること」

ふわり。と、ハルヒの姿が、空気に溶けるように滲みだした。
俺たちのいる空間が、消えようとしているのだ。それはつまり、もう二度と、目の前にいる『ハルヒ』とは、会えないという事。

「ずっと、いつでも、見てるから……」

ハルヒの目から、大粒の涙がこぼれ出す。その姿が、霞んで見えるのは、俺もまた、涙を流しているからだろう。

「ああ―――忘れない。忘れられるもんか」

思わず、ハルヒに手を伸ばす―――しかし、ハルヒの体に触れることは許されなかった。
パァン。と、瑞々しい音を立てながら―――ハルヒの影が、光の粒となり、俺の目の前で消えてゆく。

「俺も、好きだから―――お前の事が。ハルヒの事が、好きだから―――」

だから―――


続けて、言葉を紡ごうとした俺の視界を、明るく、澄んだ光が埋め尽くした。
この光の向こう側には―――きっと、俺たちのいるべき世界が待っているのだろう。


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