過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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43:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:46:03.94 ID:CL7Y8+DEo

「あなたの持つペルソナ能力は、三ヶ月前、僕たちの戦いをサポートしてくれました。その能力が、今回も必要になる可能性が高いんです」

「で、でも。あの事件は、長門さんたちの力で、発生する以前まで巻き戻されたんですよね……?」

「ええ。ですが……先日、彼のもとに、再びペルソナ能力が宿った。それはつまり、我々の記憶の中の出来事でしかなかったペルソナという概念が、今回の事件を解決するにあたって、再び意味を持ち始めたということです」

「意味……?」

「難しいことではありません。あなたはただ、以前のように、『意識』をしてくれれば良いのです。僕はこれから閉鎖空間へ向かいますが、そちらにはまだ、朝倉さんに残っていただきます。彼女のペルソナは、あなたがペルソナに近い能力を持っています。あなたが力を取り戻すにあたって、あなたの助けになってくれるでしょう」

「あの、やっぱり、言っていることが、よく……」

「時間です。……意識することは、時に、とても強い力をもたらします。あなたの力を信じていますよ。では、これにて失礼します」

……以上が、古泉がみくるに残したメッセージの全容だ。正直なところ、朝比奈みくるにとって、そのメッセージはあまりにも難解で、理解し難いものだった。
『意識』。……古泉のメッセージの中にあったその単語について、みくるは放課後までの時間、ずっと考えを巡らせていた。
みくるが意識することで、力を持ち始める概念。
……やはり、みくるにはわからない。
みくるは、そのメッセージの真意が、古泉が『みくるの助けになり得る』とほのめかした朝倉になら理解できるのではないかと、淡い期待を持って、この部室にやってきたのだ。
しかし、待っていたのは、ただ沈黙の使徒であり続ける長門のみ。みくるは、彼女のことが苦手だった。……かといって、朝倉のことが苦手でないわけでもないのだが。

「……」

居心地の悪さを感じながら、みくるはゆっくりと、足音をしのばせるように、窓辺から遠い場所に移動し、パイプ椅子に腰を下ろした。部室を後にしなかったのは、これから病院へ行ったのでは、面会時間を過ぎてしまうことと、これから朝倉が部室へやって来る可能性があることの、二つの理由からだった。
長門はみくるに何も干渉しないが、逆に、彼女がみくるの行動を阻害することも、めったにない。このところ、みくるは長門との付き合い方について、一種の諦観のような考えを持っていた。
つまり、みくるにとって、長門はどんな存在でもないのだ。みくるが彼女を意識しなければ、みくると彼女の間に、なんのエネルギーも生まれない。

「……意識?」

ふと。自分の思考の中から浮かび上がった、聞き馴染みのあるその単語の存在に気づく。


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