過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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51:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:53:59.65 ID:CL7Y8+DEo
みくるは、以前、初めてペルソナを召喚した際の感覚を思い出した。
自分の眼前に突きつけられた銃口が、乾いた音を立てた瞬間、体の奥底から、熱いとも、冷たいともわからない、昂ぶりが沸き上がってくる感覚。
自分の頭の中に、自分の声が聞こえる感覚。その感覚を、自分の中から呼び起こす。今度は、誰の手も借りず、一人で。

「ペルソナ……うーん……」

……やはり、無理だ。そう思って、目を開いたときには、みくるの視界はもう、青白い光で染まっていた。自分の手を見ると、そこにはみくるの手ではなく、金色に包まれた手がある。手を握り締めることを意識すると、金色の手が、それに答えるように動いた。

「……やればできるじゃない」

朝倉の声がする。

「私のペルソナ……『カミルラ』」

みくるは、湧き上がる昂ぶりを弾けさせるように、脳裏に浮かんだ、その名を口にする。違和感が無いわけではないが、一度覚えれば、召喚を行うことは、難しいことではないように思えた。

みくるは、自分の意識の中に現れた、新たな感覚に、ただただ驚いていたこれまで見えていた世界の中に、全く新しい要素が加わったような感覚。
自分の視界と、みくるよりわずかに背の高い、ペルソナの視界とが、重なり合う。三ヶ月前にペルソナを召喚した際には、これほど鮮明には感じなかった、新しい世界が、目の前に広がっていた。

「閉鎖空間のある次元の座標は、有希が教えてくれるわ」

朝倉が言うと、長門はすこし視線を動かし、みくるの顔を見て、小さく頷いた。

「座標に照準を合わせるのは、有機生命体には少し難しいから、私に任せて。朝比奈さんは、私が閉鎖空間を見つけたあと、そこに向かって神経を集中させてくれればいいわ」

「わ、わかりました」

頷いた後、みくるは、視線を白鐘と巽に向ける。二人の視線は、まっすぐにみくるへと向けられている……やりづらい。
感じる視線を振り払いながら、みくるは、覚醒したばかりの、自分のペルソナに意識を集中した。自身のペルソナの、黄金色の頭髪。その一本一本に、精神力を注ぎ、感覚を研ぎ澄ませる。
準備は、出来た。


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