過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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61:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 19:05:17.03 ID:CL7Y8+DEo

「ぬわ――ッ!」

たまらず転倒する俺。受身の取り方など学んだことがない。ざらついたタイルの床に、顔面から落ちる。は、ハナが……前歯が……
顔中にほとばしる痛みをこらえ、体を起こしながら、背後を振り返り、敵の状況を確認する。
荒々しく着地した巨大なナニが、グルリと俺の方を向いたかと思うと……その先端に位置する、もはやアカンとしか言いようのない箇所についた口から、灼熱の炎を吐き出したではないか。炎が、俺の背中へと差し掛かる―――ヤバイ。

「くそ―――ケルベロスッ!」

困ったときはペルソナ様。背後の御仁ほどではないが、こちらもなかなかに巨大な体躯を持ったペルソナが、俺の体を背で持ち上げるように現れる。そして、そのまま俺を乗せ、疾風のようにアーケード街を駆け出した。
ご立派様の放った炎が俺の背に届くよりも一瞬早く、俺の体は安全圏へと運び出される。疾駆するケルベロス。その前方に、俺よりわずかに早く退却を始めていた、花村と里中の姿が。

「乗れ、里中っ!」

「うひゃっ!」

「ちょっ、俺は!?」

許せ、花村―――たまたま里中には手が届いたのだ。
十分にご立派様との距離をとった後、ケルベロスは振り返る。これ以上逃げても、また先回りされかねんからな。
敵の御仁は、周囲に炎をまき散らしながら、グワラグワラと音を立てつつ迫ってくる。どこかの店内に身を隠したのか、花村の姿はない。―――ちなみに天城は、最初にこのイチモツ様と対面した瞬間、顔を真っ赤にして逃げ去ってしまって以降、姿を見せていない。

「これ以上逃げててもしょーがないって、戦うよ!」

ケルベロスの背の上で、膝を立てながら、里中が言い放つ。しかし、敵の能力は炎。俺のペルソナであるケルベロスは、同じく炎使いだ。有効打を与えられるかどうかは怪しい。となれば―――残るは物理攻撃か。
策はある。俺のケルベロスなら、あいつのスピードについていける。

「で、あたしが叩くんだね?」

里中の言葉に、俺は無言で頷く。理解が早くて助かるぜ。できれば花村の協力も仰ぎたいが、ケルベロスが素早く移動できるのは、せいぜい人間ふたりを乗せた状態までだ。花村と里中を乗せる、という手もあるが、その場合俺が危ない。


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