過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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60:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 19:04:00.54 ID:CL7Y8+DEo



………

夜が明け、朝がやってきて、太陽が天に登る。そんな当たり前の現象が、この閉鎖空間の中では、当たり前に起こってくれないのだから敵わない。
ともかく、俺たち―――花村、里中、天城の三名と、俺だ―――は、灰色の病院の病室で、順番に見張りを立てながら、仮眠を取り、簡単な食事を摂った。
花村の腕時計が狂っていなければ、俺たちが病院を出たのは、午前十時。それから、実に四時間もの間、俺たちはあてもなく、閉鎖空間の中を彷徨った。
そして―――現在、北校とは、駅を挟んで反対側に位置する、アーケード街のど真ん中で。俺たちは……アーケード街のど真ん中にいてはいけないフォルムの『悪魔』から、ひたすら逃げ回っていた。

「きゃああああっ!」

「うわわわわわっ!」

不意に、花村と里中の叫び声が右斜め後ろから聞こえ、俺は走りながらそちらを振り返る。俺と併走していたはずのふたりは、いつのまにか走るのをやめ、たった今まで駆け抜けてきた道を振り返り、逆走しようと体勢を立て直している。
何事かと首をひねった直後に、気づく。背後から俺たちに差し迫っていたはずの―――巨大なアレの姿がない。

「キョン、上、上―――!」

花村が、そう叫びながら、里中とともに駆け出す。上。……嫌な予感を覚えながら、俺は頭上を仰いだ、その視界に。アーケード街の天井をなぎ払いながら、こちらへと落下してくる、ご立派な体躯を持った御方の姿があった。

「やばい、回り込まれた!?」

すぐさま、前進するのをやめ、花村と里中が駆けていった方向へと向き直り、走り出す……が、一瞬遅い。

がっしゃーん。

轟音を立てながら地面のタイルを砕き、ご立派様を乗せた滑車が着地した。
下敷きは免れたが、弾き飛ばされたタイルの欠片と、悪魔から発せられる衝撃波が、俺の背中に襲いかかる。


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