過去ログ - キョン「ペルソナァッ!」 クマ「ザ・ゴールデンクマ!」
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8:名無しNIPPER[saga]
2015/01/07(水) 18:07:04.21 ID:CL7Y8+DEo

「逃げてっ!」

目の前の状況を把握しようとする俺の意識の中に、新たに飛び込んできたのは、女性の声だった。その声を受けたかのようにして、床に転がった髑髏が、グルリと回転し、その落ち窪んだ眼窩で、俺を見た。
その視線と、俺の視線が、真正面からぶつかり合う。何だ―――これは。何が起きているんだ?

「逃げるクマーっ!」

三度目の声。俺はその声の内容を把握するよりも早く、再び大地を足で蹴り、その場から飛び退いた。直後、髑髏の眼窩から、何かロープのような―――やはり、黒い―――ひも状の物体が、高速でこちらへと伸びてくる。
俺の目には、触手のように見えたその物体が、一瞬前まで俺の頭部があった空間を引っ掻いた。体が―――意識が勝手に、次に取るべき回避行動を探している。手前に逃げては、髑髏が突っ込んでくる……逸れなければ。
逸れなければ……やられる。

「クマァッ!」

髑髏から伸びた触手がわずかに縮み、再び俺へと放たれようとした―――次の瞬間、目の前のその光景に、不似合いな何かが飛び込んできた。同時に、叫び声……いや、鳴き声? ともかく、その何か―――髑髏の怪物と同程度の大きさの、物体だ―――が、俺の視界の右端から現れ、髑髏を弾き飛ばした。
ガランガランとけたたましい音を上げながら、髑髏が地上を転がり、吹き飛んでゆく。回避行動を取ろうとしていた俺の体が静止する。と、言うより、現れた者の姿を見て、、俺の体は固まってしまったのだ。
流星の如く現れ、髑髏を吹き飛ばしたのは……

……クマだった。
大きさは、ほぼ髑髏の怪物と同程度。体の上側、三分の一程度を大きな頭部が占めており、大きな瞳と、耳らしき突起物がピコピコと揺れている。首は……ない。頭部から直結した体は、どこかのネコ型ロボットのようにデフォルメが効いており、丸々としている。

「お、おごごごごご……」

髑髏を弾き飛ばした体勢のまま、地面に落ちたその物体……いや、生き物は、起き上がろうとしているのか、しきりに体を横に転がしている。手を貸そうか……と、俺が動きかけた直後、クマ(仮)がやってきた方向から、誰かが姿を現した。

「クマっ! 大丈夫?」

なんと今度は、美少女である。
セーラー服で、メガネをかけた、美少女である。身長は、クマ(仮)の体長よりもやや高い。闇の中でも映えて見えるやや赤みがかったウェーブの長髪を、高い位置で二つにくくっている。
年は俺と同じくらいだろうか。クマ(仮)に駆け寄り、体を起こすのを手伝う姿が、俺にはまるでテレビの向こう側の映像のように見えた。セーラー服の上からでも見て取れるほどに華奢な体つき……


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