過去ログ - 岡崎泰葉「どんな過去であっても」
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8:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 21:50:50.28 ID:y6sOBbmQo
「そんなの滅多にあることじゃないから、舞い上がった母親に無理矢理連れて行かれて……」
さほど気の進まなかった自分を、半ば強引に引っ張っていく母の姿を思い出す。
9:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 21:51:29.80 ID:y6sOBbmQo
そこまで話して、ふと思う。
ジュニアモデルと、子供時代のエキストラ経験。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 21:52:51.69 ID:y6sOBbmQo
「……監督が?」
泰葉が続きを促すように俺の言葉を繰り返す。
11:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 21:53:46.64 ID:y6sOBbmQo
「今の俺が『わぁ、すごい……』なんて目を輝かせてきょろきょろしてたらおかしいけど」
仕事柄、今の自分にとっては撮影現場なんて最早珍しい訳でも何でもない。
12:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 21:55:08.16 ID:y6sOBbmQo
それはつまり、あれだろうか。
――子供のようなきらきらした瞳で撮影現場を眺めて、楽しそうにはしゃぐ大人になった今の自分。
13:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 21:58:22.90 ID:y6sOBbmQo
「『坊や、そんなに興味があるなら君も出てみるかい?』」
そんな感じだったはずだ。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 22:00:55.77 ID:y6sOBbmQo
勿論、何か台詞があったりする訳でもなければ、物語に絡む訳でもない。
文字通りのエキストラ。先程の女の子と一緒で、あくまでも背景として存在するだけ。
15:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 22:01:42.16 ID:y6sOBbmQo
「もしかして――」
話を聞き終えた泰葉は、ふと何かを思いついたような顔をする。
16:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 22:02:51.60 ID:y6sOBbmQo
この仕事を選んだのは、たまたま今の事務所の社長に声を掛けられたから。
本格的に就活シーズンが始まる少し前の時期。
17:名無しNIPPER[saga]
2015/01/09(金) 22:10:15.73 ID:y6sOBbmQo
「そうですか……。もしそうだったら、ちょっと良い話だな、って思ったんですけど」
泰葉の表情は少し残念そうだった。
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