35:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:21:34.14 ID:sdjP5j9j0
「ありがと」
差し出された左手を掴み、ぎゅっと引き上げてくれる力に合わせて立ち上がる。
「大丈夫か?まだ気持ち悪かったりしないか?」
「えっと…わたし…」
学生御用達の安いチェーン店のアルコールは、たくさん飲むものじゃない。
今までこんなことは一度もなかったのに。
「珍しいよな。ムギが潰れるなんて」
「ごめんね…迷惑かけて」
「そんな。大したことないよ。わたしだってムギに介抱してもらったこと、あるしな」
「ありがと」
ちっとも気持ち悪くなんかない。
むしろちょっと眠ったおかげですっきりしたくらい。
わたしはゆっくり思い出す。
ああ、そうだ。
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