過去ログ - 紬「真夜中のいちご」
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40:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:25:55.21 ID:sdjP5j9j0

「歩けそう?」

「あ、うん」

「もうちょっと行ったところにバス停があるから…行こうか」

ふたり、歩き出した。

わたしはもう、ちっとも気持ち悪くなかったけれど(最初っからね)、
澪ちゃんはたぶんわたしに気を遣ってるんだろう、いつもゆっくりと歩いてくれた。

「ねぇ…澪ちゃん」

「なに」

「あの…ね。お願いがあるんだけど」

「いいよ。どうかした?」

「………手、繋いでもらってもいい…かな」

「………うん。いいよ」

左側を歩く澪ちゃんの右手を、左手でそっと掴んだ。
澪ちゃんがきゅっとわたしの左手を握り返した。
澪ちゃんの手はいつもみたいにちょっとだけ冷たい。
この手が、すこしでもあったかくなるように、気持ちを込めて手を握る。
澪ちゃんが痛くならないように、でも、
思いだけはいっぱいに。




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